湘南ライナー日記 SHONAN LINER NOTES

会社帰りの湘南ライナーの中で書いていた日記を継続中

恵比寿に昭和が鳴り響く

2009-04-17 21:34:23 | B食の道


恵比寿にある社会労務士の先生のオフィスへ出向いた帰りに、ひとり遅いランチ。
目星をつけておいた『めし処 こづち』へ。すっかりおしゃれなお店が幅をきかせるようになった恵比寿で、1950年から営業を続けているという大衆食堂らしい。
暖簾をくぐると、間口に比べ意外に広い空間が現れる。ただし、そのほとんどを占めているのがオープンキッチン。そこに6人もの従業員が働いている。客席は厨房を囲むように、くの字型のカウンターのみ。そのカウンターの背中には壁があるだけだ。
すでに午後3時近いというのに、席は8割がた埋まっている。女性はカップルの一人。
メニューは、黒い紙に白い文字で書かれ壁に貼られている。
肉豆腐200円、アジフライ270円、たまご焼き280円、オムレツ390円、焼きハム(値段は忘れた)…
実に魅力的な名前が並んでいるが、初見参ということでここは無難に『焼肉定食』(800円)をオーダーした。
カウンターのすぐ向こう厨房の片隅で、すっかり腰の曲がったおじいさんが中華鍋を勢いよく振るいながら炒飯を作っている。おぉ、刻んだナルトが踊っている!その隣の五徳の上のフライパンには、すでに僕の豚バラ肉も放り込まれているようだ。
火を使って料理をしているのはこのおじいさんがだけ。後はご飯や味噌汁を盛ったり、下ごしらえや洗い物、立っているだけのおじさんもいる。ん~、おじいさんにかかる比重が極端に高いぞ。
出来上がってきた。
大きなお皿にかなりの量の豚肉。ポテトサラダとキャベツの千切りもたっぷりと盛られている。どんぶり飯と味噌汁も溢れんばかりの迫力だ。これぞ大衆食堂、労働者のための料理である。
にしては珍しく薄味なのだか、そりゃもうどんどんイケる。矯正中の箸が止まらない(笑)。この味とボリュームで800円はお見事と言うしかない。
店を出る頃には、すっかり高度経済成長期の労働者気分。腹を叩きながら、爪楊枝でシーシーやりたくなった。