お乳の匂いなのだろうか。
赤ちゃん独特の、あの匂いに、気持ちがキュンとなってしまった。
お腹が大きくなるまで勤めていた元社員が、4ヶ月半だという女の赤ちゃんを連れてやってきた。
抱っこさせてもらおうと小さな体を両手で受け止めると、あの何ともいえない匂いが鼻をついた。
決していい匂いとはいえないのだろうが、嫌いじゃないのだ。もう鼻の穴おっぴろげて吸い尽くしちゃおうかと思ったほど(笑)。
ウチの子たちにも4ヶ月の頃があったのだ。でも今の大きな姿が邪魔をして、当時のことなんてまるで思い出せない。
ただ、匂いをかいだ途端に、かつてこの腕で赤ん坊を抱いていたという確かな記憶だけがよみがえってきた。そして、切なくて、嬉しくて、恥ずかしながらちょっとウルウルしてきちゃうのだった。
おやおや、うとうとしてます。