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「死が二人を別つまで」ミドル6-3 By朱雀

2006年06月23日 22時53分16秒 | TRPGリプレイ
 「――君の妹は、オーヴァードだ」
 目の前の少年が呟いた瞬間、頭の中で何かが軋んだ。
 それは錆び付いた扉が開かれる音。
 10年前に自らの力とともに封印された、記憶の扉が開かれる音…………


Middle6-3 回想   シーンプレイヤー:石動 周     3月12日 p.m 04:00


GM 君の脳裏に、無意識の内に封印していたはずの記憶が甦ってくる。
周  …………
GM ――あれは今から10年前、君たち兄妹が数人の男たちに誘拐された時のこと――


 ―――――――― 一瞬、体中の血管が脈打ったような気がした。

 続いて全身から血の気が引いてゆくような感覚。

 ――いや、氷点下の血液が流れ込んでいるのか。

 それでいて、この肉体自体は焼けつくように熱い。


 全身から『何か』が噴き出す感覚とともに、世界が灰色に染まってゆく。

 ゆっくりと、    ゆっくりと、         周囲の動きが鈍くなってゆく。

 さっきまで聞こえていた全ての音が、消える。

 自分たちを取り囲む連中の声も、

 どこかから滴り落ちる水滴の音も、

 全てが深い泥の底に落ちたかのように、消える。

 …………

 周囲の様子を伺いながら、同時に自分の体の調子も確かめる。

 ――問題ない。

 それどころか、肉体の奥底からが湧き出てくるような感覚さえ感じる。

 これならいける。

 妹を、雨音を助けられる――!

 ちりちりと頭の中で疼く衝動に任せて、自分の『力』を発現させる。


 宙空にいくつもの黒い球体を浮かび上がらせた時、視界の片隅で何かが動いた。

 瞬時に視線を向ける。

 ――――雨音だった。

 地面に倒れていたはずの雨音はいつの間にか起き上がっていて、

 不安そうな表情をこちらに向けていた。

 そして雨音は、叫ぶ。

 「――――お兄ちゃん!!」


 確かに聞こえた。音のない世界で。

 確かに叫んだ。時の死んだ世界で。


 そこで記憶は、途切れた……………………



周  ……そんな記憶を走馬灯のように思い出して、「そ、そんな……じゃああの時……」とか放心状態になりながら呟く。
修治 こっちはそんな呟きはまるで聞こえてないみたいに尋ねる。「――それで、君には何か思い当たることはないか?」
周  「…………じ、実は……」と、思い出したことをぽつりぽつりと話そう。
修治 「……ふん、それは君たちが小さい頃遭ったという、誘拐事件のことだな」
GM そのことを知っているということを隠しもしないんだな(笑)
修治 私はそのへんのことに関しては無神経ですから。とりあえずちょっと考え込んでから意味ありげに周の方を見る感じで。
周  「……俺は、何をすればいいんだ?」
修治 (雨音を顎で指すようにして)「そうだな――現時点でその子本人には自分がオーヴァードであるという自覚がない。だから最悪の場合、その子の能力が暴走する恐れもある」
周  「そんなことは――俺がさせない!」
修治 「それなら、その子の様子を君の方からも見てやってほしい。何か変わったことがあったら、私に伝えてもらいたい」……と、一応協力を求めてみる。
周  なるほどね。
GM うーん、さすがにそう簡単にはPCvsPCとはいかないなぁ(笑)
周  さすがにそう簡単には(笑)まあ戦闘で殴っちゃったのは悪いと思ってるんだけどね。
修治 あ、ちなみに私のセリフには適度に怒気が含まれてますんで(笑)
周  う。さすがにそれはマズいか。「……お前に、雨音を傷つけるつもりはないんだな?」
修治 「今のところは、ないな」
周  「なら――さっきのことは謝る。いきなり攻撃して悪かった」と素直に頭を下げる。
修治 「ふむ……まあ、大した問題ではなかったし、結果的には助けられたことになるわけだからな。仕方あるまい」
GM まあ、下手したらもう1発喰らってさらに《リザレクト》せにゃならんかったわけだが(笑)
周  そこは言わないお約束~(笑)
修治 ま、そんなわけで、そろそろ獣化を解こう。
周  で、そこで初めて相手の正体に気づくわけだ。「――あ!お前、最近隣のアパートに引っ越してきた――」
修治 「ああ、現在は隣のアパートの1室を借りている――そうだな、何かあった時のために、私の連絡先を教えておこう。一応携帯電話もある」とか言いながら、周に連絡先を書いた紙でも渡す。
GM そういや……修治は周にUGNというものの存在自体は話してるんだっけ?
修治 (一瞬考えてから)……全く話してませんな。「――そういえば、何も知らないのであったな。ついでだから、ここで私の所属するUGNについて教えておこう」
GM ではこう、かくかくしかじかと……
修治 うむ。UGNについて訥々と語る。ただし私が話すことなので多分に誇張が入っているがな。ファルスハーツら悪の組織による脅威などから世界の平和を守るために、法の番人であるUGNは日夜奴らと戦っているのだという意味合いのことを、いかにも自分たちが神聖かつ正当な人間の集まりであるかのように話す。とりあえず、プラスイメージにつながることしか言わない。
GM もうそこまでくるとただの新興宗教だな(笑)
叡輝 こいつ、胡散臭え……そのうち「壺買え」とか言い出すんじゃないだろうな?
GM さすがに「世界の平和を守るために」活動してる団体は壺は買わせんだろ。
修治 まあ、まとめて言うと、「世界の平和を守るもの、それが私たちUGNだ」って感じ。
GM 結局どいつもこいつも胡散臭いな。このセッション(笑)
修治 気にしてはいけない――というわけで携帯電話を取り出してUGNに連絡。
GM あ、各務支部長への連絡なら次のシーンに移るぞ。
修治 いや、そうじゃなく、家の前に転がってる黒服連中の死体の処理のことだ。さすがにこのまま放置するわけにはいかんしな。「――監視途中に敵勢力のものと見られる連中と交戦した。全員始末したのだが後の処理を頼む」
UGN事務員/GM 「了解しました。直ちにそちらに向かいます」そう言って電話が切れてからしばらくして、《ワームホール》!(一同爆笑)
周  すげえ!なんて便利な!
叡輝 空中から清掃車が突如登場(笑)
周  それは既に都市伝説のレベルですよ?(笑)
GM もう少しひどくなると《猫の道》から死体が沈むように消えてゆく(笑)
一同 怖っっ!!

 よい子は決してこんなエフェクトの使い方をしてはいけません。
 まして《群れの召喚》による鳥葬など(以下削除)

修治 (しばらく考えてから)……まあ、いいか。別にこっちから言い出す必要はないし。
周  ?
修治 というわけでこっちはやること済ませたんで、また部屋に戻ろう。「では、邪魔したな」そう言ってまた窓から出て行く。
GM ではそろそろ《ワーディング》も解除されたことだろうし、君のお母さんがやって来て部屋のドアを開ける。
母/修治 「――ちょっ、ちょっと、何なのよ、これ!?」
GM 気がつくと雨音の部屋のガラスが粉々に割れて破片が室内に散乱しているわけで……(一同爆笑)
周  「え、あっ、これは、いや、その、えーと、だからですね、あの、ほら、あれですよあの……つい雨音と喧嘩しちゃってですね、その……」(一同爆笑)
母/修治 「あ、雨音の具合が悪いのはあんただって知ってるでしょ?それなのにこんな状態になるまで喧嘩するなんて……大体あんたももう高校2年生なんだからもうちょっと言動の1つ1つに責任を持って――」と、くどくどくどくど(笑)
周  「……はい……はい……はい……ごめんなさい……はい……ごめんなさい」とひたすら平謝りしながらガラス屋に電話する。
GM うわぁ……自腹だ(笑)
周  ひでぇなあ、これ(笑)あ、ちなみに設定として一言も出てきてなかったけど、バイトしてます。一応。
GM ……ますます自腹だな。
一同 自腹だな(笑)
周  くそ~!
GM ……てなとこでシーンも終了~。

 「――“グリーン”が全滅したそうです」
 部下の1人からの報告を受け、男は微笑を浮かべる。
 そう……これでいい。
 ここまでは当初からの計画どおりだ…………

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3 コメント

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とりあえずGMごくろーさん (安綱)
2006-06-24 11:47:45
周の過去と修治の心酔っぷりと死体処理班の恐るべき手際が白日の下にさらされた回でした。

あ、ついに金曜更新だね(笑)
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超スピード更新 (朱雀)
2006-06-24 16:14:23
久しぶりに金曜に更新できました。

まあ、というのも今回のは6-2を書いてた時に字数オーバーした分だからなんだけども。

一番時間がかかってるのは冒頭&末尾のフレーバー部分と、回想シーンの文字配色だったり……ってどーなんだそれは。
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金曜更新おめでと~ (ゴンタ)
2006-06-24 17:49:31
それにしてもUGNの処理班怖いな~。

さすがは秘密組織。

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