新・ボヤッキーでトンズラーな日記

そこいら辺にいる普通のオッサンです。日々気にくわない事や腹が立ったことをつぶやいています。

同僚がオウム信者になった話

2018-07-08 02:17:09 | 事件

オウム真理教と言えば、昨日は時間も無かったので書かなかったのですけど、実は私もちょっとだけ関わった事があるんです。

とは言え、私が入信したとかじゃなくて、私の同僚で親友でもあったヤツが色々あってオウム信者になってしまった、ってだけなんですけどね。

以前もその時の体験談を書いた事があったのですが、確か「ぷらら」の時に書いていた事もあって、今ここを読んでいる方の殆どはそんな事は知らないでしょうし、何かの参考(?)になるかも知れないし、自分自身でも記憶を掘り起こして記録として残したいってのもあるので、改めて書いておきますね。

 

さて。

早いもので、もう30年近く前になるかなあ。

当時の私の同僚がオウム真理教にハマって、例の上九一色村のサティアンに行ってしまった事があるんです。

その同僚は頭はソコソコ良かったのですけど、まあハッキリ言えば結構「女にだらしがない」ヤツで、そのせいなのか(女の呪い?)全身に謎の発疹が出来ると言う病気に罹り(病名忘れた)、そんなに痒いワケではないけど、終始体調が悪そうにしていたんです。

当人もそれが結構キツかったのか、体質改善を期待して、当時、駅前にあった「ヨガ教室」に通い始めたんです。

通い始めた当初は「何か段々体調が良くなってきた気がする」とか言っていたので「ヨガってやっぱり効くのかな?」と思っていたのですけど、そこに通い出してしばらくしてから、その同僚が段々ヘンな事を言い出したんです。

例えば

「ヨガ教室や本部には悟りを開いた人が何人も居る」

「この前は、自分の魂が抜けて自分の体を上から見ている体験をした」

「世の中も自分も穢れているから、ちゃんとした修行をしなければならない」

「この前は本部から悟りを開いた方が来て、我々に説法をしてくれた。」

ってな感じの事を言い出したので「あ、これはちょっとヤバイ」と思い、そのヨガ教室に通うのを辞める様に言ったのですが、時既に遅し。

 

当然、当人は聞く耳持たず。

 

それどころか、段々

「今の世の中は間違っている」

「営業をすると言う事はウソを付く事になる。」

「悟りを開くためには嘘を付いてはいけない」

とかまで言いだし、挙げ句の果ては

「会社に勤めると言う事は嘘を言い続ける事になる。だから俺は会社を辞めるつもりだ」

と主張する様になるまで、拗(こじ)らせてしまっていたんです。

しかもそれを会社でも言い始めたものだから、当然上司とも揉める様になり、当人の周りには非常に不穏な空気が漂い始めました。

ただ、その上司ってのも昔気質と言うか、

「パワハラの何が悪い!」

「俺の言う事さえ聞いておけば間違い無い!」

「部下が俺にガタガタ抜かすな!」

「体調が悪い?気合いが足りんからだ!」

「酒飲め、酒!酒飲みゃ何とかなる!」

ってな感じの「当時の典型的なダメ上司」だったので、結構繊細な精神を持っていた同僚がそれで益々病んでしまった、ってのもあったんですけどね。

ちなみに私もその上司が大ッキライでしたが。

と言うか、当時居た会社ってそんな上司ばかりで私も大概嫌気が差していたし、こんなんじゃあ同僚も体調崩すわなあ、と密かに思っていたものでした(^^;)

 

そんなある日の深夜12時頃。

私の部屋に突然その同僚が訪ねてきたんです。

「こんな時間に尋ねてくるなんて・・・」と何か嫌な予感がしつつ部屋に入れて話を聞くと

「今日、上司に辞表出して来た。」

「お前以外には誰にも言っていないが、俺はこれから富士のすそ野にある修行場に行って悟りを開く」

「一旦修行に入ったら外部との連絡は一切取れないそうだから、これでお前ともお別れだ。元気でな。」

とか言いだして、ビックリ!

一気に眠気が吹っ飛びましたがね!

で、さすがに「これはマズイ」と思い

「そんなにいきなり辞めてどうする!まずは明日朝一番で上司から辞表を取り戻してこい!話はそれからだ!」

と止めたのですが、当人の意志は硬く(と言うか、すっかり洗脳されていた)

「いや、もう決めた事だから」

の一点張り。

その後何度か押し問答があったのですけど、どうあっても会社を辞めて修行場に行く事を辞めるつもりも無かったので、私も説得は諦めて

「お前がそこまで意志が固いのは判った。でも俺はやっぱり間違ってると思うぞ。」

「けど、もし何かあったら俺に電話してこい。相談でも愚痴でも良いからな。」

「ただ、せめて親にだけは行き先を連絡しておけ。でないと両親も心配するだろうから」

と言うのが精一杯でした。

当人も一応「判った」とは言ってましたけど、同僚の雰囲気から「多分連絡はしないだろうな」とは思い、そして案の定連絡していなかったワケですが。

その後、その同僚が帰った後、色々と悔しいやら悲しいやらで結局殆ど寝られませんでしたわ。

なんだかんだ言ってもそいつは新人の頃からずっと一緒で、しかも同じ営業所に配属され、同じ苦労をしてきた仲間でしたから、今考えるとその仲間がヘンな宗教に引っ掛かった事と、ウチの会社がその同僚をそこまで追い詰めた事への怒りと悲しみだったのでしょうなぁ・・・。

 

そして、翌朝。

当然ながら、その同僚は出社してきません。

最初は上司も余り問題視しておらず「寝坊している」程度に思っていたらしいのですけど、アパートに何度電話しても誰も出ない!

(当時は携帯とかは殆ど普及してませんでしたから、個人に直接連絡する手段は無かったんです。)

(唯一ポケベルはありましたけど、会社の備品なので家まで持って帰るヤツはいませんでしたからね。)

 

で。

幾ら電話しても誰も出ないのでさすがに不安になったのか、アパートの管理人に連絡して部屋を開けてみた所、家具類はそのままになっているのに当人だけが居ない(当然ですが)。

これにはさすがに上司も顔が青ざめ始め、慌てて同僚の親に連絡するも、当然ながら親の方も何が起こったのかサッパリ分からなかった様子(これでアイツが親に連絡していなかった事が私に判ったわけですが)

ここでようやく会社側も「何かが起こった」事に気付き始め、同僚の上司だけではなく、社長や幹部までが「ザワザワ、ザワザワ・・・」し始める始末。

尚、それを横で見ていた私は

「お前等がアイツを散々イジメたからこう言う事になったんだよ!( ゚д゚)、ペッ」

と心の中で呟いていましたが(^^;)

 

そうやって上司連中が騒いでいるのを横目で見ながら知らんぷりしていると、私の上司がようやく私に

「おい、お前!アイツの事で何か知らんか?」

とか言ってきたので、

「ああ、アイツなら新興宗教にハマって、冨士で修行すると言って出て行きましたよ」

と、本当にサラッと言った所、車内が一瞬"シーン"となって、次には上司連中やそのセリフを聞いていた社員全員が

( ゚Д゚) ハァ?

となって、次に「エエエエエエエエエエ!」となって、その後は、幹部が慌てて両親に電話するわ、警察に通報するわ、私は社長に呼ばれて経緯を説明させられるわと、そりゃあもう会社全体が一気にパニック状態!

いやあ。

散々偉そうにしていた上司連中が慌てふためく姿は、見ていて楽しかったですわあ(^^;)

まあ、上司連中からは「どうして言わなかった」とイヤミを言われたりしましたけど、

「そもそもアイツの変調を無視して無理難題ばかり言ってたテメエらにも責任があるんだよ!」

と思っていたので、いくら上司にイヤミ言われても屁とも思いませんでしたけどね。

けどその後。

今度は私がその上司連中から思いっきりパワハラされまくった挙げ句「無能」「役立たず」のレッテルを貼られて会社を追い出されてしまうのはいつか機会があった時に、と言う事で(笑)

 

しかし、当時はまだ新興宗教である「オウム真理教」の事について知っている人は殆ど居なかったせいもあって、警察も動かなかったみたいですね。

かく言う私も当時、色んな人にオウム真理教について聞いてみたけど誰も知らなかったんだよなあ。

 

そして時間は飛んで、それから数年後。

何と!その同僚から電話が掛かってきたんです!

これにはホントビックリしましたわ。

で、色々話を聞いてみると

「冨士のサティアンに行ったけど、とにかく狭い部屋に押し込められてしんどかった」

(どうやらカプセルホテルみたいな施設だったらしい)

「修行場に行った途端、現金から何から持っていったモノ全て没収されて逃げられなくされていた」

「それでも最初は素直に修行してたけど、段々『何かおかしいな?』『最初に聞いてた話と全然違う』『これで悟りが開けるとは到底思えない』と考える様になり、結局サティアンを脱走して実家まで何とか逃げてきた」

「今は結婚して、教師になってる」

って言われて、二度ビックリ!

つ~かお前、相変わらず手が早いな!(笑)

けど、よく逃げられたものだと思って聞いてみたら

「脱走した時にも余り本格的に捜索はしていなかったみたいなので何とか逃げられた」

だそうで。

しかし後から聞いた話によると、同僚が逃げ出した後からは監視の目が厳しくなってサティアンからの脱走は不可能になってたそうですから、危ない所だったんだなあ、と。

 

・・・ん?

今になってジックリ考えてみると、もしかして同僚が脱走したからその後監視が強化されたのかな?

まあ、単なる偶然でしょ・・・多分(^^;)

 

・・・とまあ。

こんな感じで、かつて私の同僚が洗脳されてオウム真理教信者になってしまい、けど、途中で洗脳が解けて無事「脱走」したと言うお話でした。

ただ、今でも「本当に洗脳が解けたかどうか」は少し疑問に思っているのは内緒の話ですが(^^;)

 

そしてその後、教団は例の坂本弁護士一家殺害事件を初めとした「ポア」を実行する様になり、そして地下鉄サリン事件を起こしたのですから、私の同僚もあのまま修行場に止まっていたら警察に逮捕されていた、いや、下手すると実行犯にされていた可能性も否定出来ないと思うと、今更ながらゾッとしますけどね。

皆さんも、甘い話ややたらと調子の良い事ばかり言うヤツの話にはお気をつけの程を。

「俺はそんな怪しげな宗教には引っ掛からない」と思っていても、ヤツらは「弱った心」に付け入ったり「心の隙間」に入り込むのが非常に上手いので、いくら気をつけていても転ぶ時は本当にアッサリと転びますからなあ。

まあ、それも又人間らしいのかも知れませんが、それで人生破滅しちゃあ、何の為に生きてきたのか判らなくなりますからね。

ちなみに、これが「宗教」ではなく「思想」とか「理想」とかってのも同じ様なものですので、本当に、本当にお気をつけの程を。

どっかのエセサヨクみたいにだけはならない様にしましょうね!

 

と、最後にいつもの毒舌を吐きつつ、本日はこれにて。



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1 コメント

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オウムに洗脳される場合とパヨクに洗脳される場合の違いとは? (KY)
2018-07-08 21:57:00
 貴重な体験談、有難うございます。
 「自分は絶対大丈夫」と過信せずに、絶えず「自分も疑う」事を怠らない、と言う事ですね。勿論この「自分を疑う」と言うのはネガティブな意味でなく、「より自分を信用できる自分」にステップアップする為の手段なのは言うまでもありませんが。
 ま、世に勢力拡大の為に組織は(広義の意味での)洗脳と言う手段を常に使う訳ですが、オウムに洗脳、と言うか被れた面々はどちらかと言うと高学歴とかエリート候補生といった人々が多かった気がします。ただし「頭はよくても自分の考えを持たない、周囲に流されやすい性格」が災いして何の疑いも無く「教祖様」の命令のまま犯罪に加担してしまった訳ですが。
 一方パヨクに洗脳された連中は、自分お考えを持たない所は前者と同じですが、決定的に違うのは「悲しいまでに頭が悪い」と言う点でしょうな(爆笑)。
 偏差値28どころかマイナスレベルの失言を平気で連発して恥じないのですからまさに「無知は最強の盾」ですね。「マニラと言う国」を真顔で公衆の面前で言うわ、英語の綴りを間違えたビラやポスターを世に撒き散らすは、英文法の基礎も知らないわ、ここ四半世紀で「洗脳されやすい人」の定義がすっかり変わりましたね。尤もパヨクにとっては後者の方が捨て駒として利用しやすいのかも。

 以前戦争論でパチのりが「洗脳されてる自覚はあるか?」と問題提起してましたが、「自覚がないのが洗脳なのに、どうやって自覚するの?」と突っ込んだものですが、今となっては言葉に重みがありますね。
 尤も現在当人が一番自覚を持ってないのが皮肉ですが(冷笑)。
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