この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

懲りずにまた「ガタカ」ネタです。

2021-08-11 23:09:18 | 旧作映画
 懲りずにまた「ガタカ」ネタです。

 ジェロームが次のようなセリフを口にするシーンがあります。
「ヘアカラーの会社がいつもと違う色を送ってきた。(中略)返品はききそうにない。」
 このセリフ、よく考えると、いや、よく考えなくても変ですよね。
 これが「ヘアカラーの会社に間違った注文をしてしまった。(中略)返品はききそうにない。」であればわかります。
 もしくは、「ヘアカラーの会社がいつもと違う色を送ってきた。(中略)返品の手続きが面倒だ」というのであってもまぁわからないでもない。
 でも、「ヘアカラーの会社がいつもと違う色を送ってきた。(中略)返品はききそうにない。」というのはあからさまにおかしいです。
 注文とは違うものを勝手に送り付けておいて返品に応じない会社ってありえないですから。
 自分は誤魔化したいことがあるジェロームが慌てたせいで不自然なセリフを発したのだ、とこのシーンを解釈しました。
 自分は自分と解釈の異なる方から、あなたの言っていることは思い込みだ!とか、決めつけだ!と言われることも多いのですが、さすがにこの解釈は間違っていないと思います。

 実は、ってことの程ではないですが、このシーン、ジェロームのセリフは「ヘアカラーの会社がいつもと違う色を送ってきた。(中略)返品はききそうにない。」ではなくても、それこそ「ヘアカラーの会社に間違った注文をしてしまった。(中略)返品はききそうにない。」であっても特に問題はないんですよね。
 その後の展開に支障があるとか、そういうことはありません。
 ではなぜジェロームは不自然なセリフを口にしているのか。
 それは『ガタカ』の監督であり、脚本も書いたアンドリュー・ニコルが、観客にこのシーンの重要性を知らしめるためだろう、と自分は考えます。
 観客の為にわかりやすくフラグを立ててくれたのですね。
 この解釈もおそらくは間違っていないでしょう。

 しかし先日考察記事にコメントをした方は、このシーンは重要な伏線などではなく、ジェロームはヒステリーを起こしたのでそのセリフを口にしたのだ、というふうに主張しました。
 どういうふうに『ガタカ』を見ていれば、このセリフがヒステリーによるものだと思えるのか、自分には謎です。
 同じ映画を見ているとはとても思えません(同じ映画を見ているとは思えないということに関しては、そのミスター・ヒステリーにも同意してもらえました。)。

 今回の件でわかったのは、自分の「ガタカ』の解釈は人と異なることが多いのですが、それは自分が重要だと思うシーンを軽く流してしまう人が多いからなのだな、ということです。
 他にも流していると思われるのが、アントンがプールで泳いでいるシーンですかね。
 あのシーンに意味がないとは思わないですけどね。

 今でもミスター・ヒステリーはあのセリフがヒステリーによるものだと考えているのかな。
 そもそも自分は、言葉の矛盾を指摘しているだけで、態度や言葉遣いを問題視しているわけではないんですけどね。
 
                                続きます。
コメント (8)
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