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この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

娯楽映画の境界線を越えていた『孤狼の血 LEVEL2』。

2021-08-22 13:19:21 | 新作映画
 松坂桃李主演、白石和彌監督、『孤狼の血 LEVEL2』、8/21、イオンシネマ福岡にて鑑賞。2021年37本目。

 前作『孤狼の血』は残酷なシーンが確かにありましたが、ギリギリ娯楽映画の境界線内の作品で、鑑賞後、カタルシスを得ることも出来ました。
 それに比べ本作は完全に境界線外の作品で、カタルシスもほとんど感じなかったので、「面白そうだから観に行こうかな」と思っている人は観るのは止めておいた方がいいです。
 両目をえぐられたり、生きたまま焼かれたりといった、並のホラー映画が泣きながら裸足で逃げ出すぐらい残虐シーンのオンパレードでした。
 自分はそれなりに残虐描写に対して耐性がある方だと思っているのですが、その自分の目から見ても、本作はかなりきつかったです。

 残酷なシーンがあること自体は必ずしもマイナスポイントではありませんが、全体的に雑な作りだったのは残念でした。
 細かいところで言うと、車を停めて張り込んでいたら、いきなりドアを開けられて車外に引きずり出されるシーンが二度ほどありました。
 何ですかね、こういうとき、ドアを内側からロックしないんですかね。
 広島県内では内側からドアをロックしてはいけないという決まりでもあるのかと思いましたよ。
 
 細かくないところを言うと、広島県警が何を考えているか、わからなかったですね。
 わからなかったというか、理解出来なかったというべきか。
 敵対する暴力団同士の抗争を激化させ、双方の共倒れを狙おう、というのであればわからないではないんですよ。
 むしろ理解しやすいというか。
 でも本作の広島県警は暴力団の壊滅を狙うがために殺人鬼を野放しにする、一般市民の多少の犠牲には目をつぶる、みたいなやり方で、それはいくら何でもないだろうと言いたくなりました。
 例えフィクションであっても守るべきリアリティ・ラインはあると思います。

 正直本作を高く評価することは出来ないのですが、キャスティング、および各役者の演技に関しては言うことはありません。
 狂犬というのさえ憚られる上林を演じた鈴木亮平は彼のベストアクトとすら言っていいんじゃないですかね。
 またどう見ても場違いに見えた西野七瀬の演技もよかったです。
 何でアイドル女優を引っ張り出してくるの?と思った自分の目は節穴でした。

 ラストは評価が分かれているようですが、自分はいらないかな、と思いました。
 タイトルの「孤狼」はあくまで比喩だと思いますし、第一平成になって狼がいたとか、いないとか、騒ぎになったことも記憶にないので。

 おそらく第三作はないと思いますが、あれば観に行くつもりです。

 お気に入り度★★★、お薦め度★(★は五つで満点、☆は★の半分)です。
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