ネットの友人に薦められた『楽園のカンヴァス』を読み終わりました。
基本的に自分は漫画であれ、小説であれ、映画であれ、薦められた作品は出来るだけ読む(or見る)ようにしています。
薦めた人も理由もなく薦めたのではないだろうし、何より自分のような変わり者に何かを薦めようとする人自体が絶対的に少ないんですよね。
だから余裕で薦められた作品を消化できるのです。
それはともかく、『楽園のカンヴァス』、とても面白かったです。娯楽作としてよく出来ていると思いました。
今年何冊本を読むかわかりませんが、間違いなくベスト3には入ると思います。三冊しか読まないかもしれないけど。笑。
作者の原田マハは、デビュー作が『カフーを待ちわびて』という癒し系っぽいタイトルなので(未読です)、何となくそういった作品ばかりを書く、自分には無縁の作家なのかと思ってましたが、巻を措く能わずの傑作も書くのですね。意外でした。
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日伝説の名画コレクターであるコンラート・バイラーから招待状を受け取る。
彼の所有する、アンリ・ルソーの幻の名画の真贋鑑定をティムに依頼しようというのだ。
スイスのバーゼルにあるバイラー宅に着いたティムは鑑定を依頼されたのが彼一人だけではなかったことを知る。
もう一人の鑑定人、それは美しき日本人女性だった…。
本作の主人公は間違いなくティム・ブラウンなんですが、先に登場するのはヒロインである早川織絵です。
彼女が監視員として勤める大原美術館には一度行ったことがあります。
作品の中で触れられているエル・グレコ作『受胎告知』もこの目で実際観たことがあるのですが、それほど感銘は受けませんでした。
世界的な名画を目にしても感銘を受けないのですから、自分には如何に美術的センスがないかわかるというものです。
話を早川織絵に戻すと、彼女は美術館の監視員として冴えない日々を送っています。
けれどあることが切っ掛けで彼女が実は凄腕のキュレーターであったことが明かされるのです。
この展開が問答無用でカッコいいんですよ。
そして時が遡り、ティム・ブラウンの視点で物語は語られるのです。
物語の興味を引くポイントはいくつかあって、まずルソーの作品が本物なのかどうか、次に二人のうちどちらが真実を見抜くか、そしてもう一人の主人公と言っていいアンリ・ルソーがどのような生涯を送ったか、ですね。
不遇の画家といえば、まず何といってもフィンセント・ファン・ゴッホのことを思い浮かびますが、ルソーがゴッホに負けず劣らず極貧の生活を送っていたことはまったく知りませんでしたよ。
あの南国を思い起こさせる作品から、南の楽園でのんびりとした生活を送りながら好きな油絵を描いている、裕福な男をイメージしてました。
全然違うのですね。
そのことを知っただけでも本書を読んだ甲斐はありました。
本作は直木賞にノミネートされて落選し、さらに本屋大賞でも一位には選ばれなかったそうです。
直木賞はやっぱりダメですね。
直木賞って何より娯楽作品として面白いかどうかが選考の第一基準であるべきで、これ以上の娯楽作品ってそうはないと思うけどなぁ。
本屋大賞も受賞作である『海賊と呼ばれた男』とどちらが作品として優れているかではなく、受賞以前にすでに五十万部売れていた『海賊~』よりもこちらを選ぶべきだったと思うなぁ(『楽園のカンヴァス』がどれぐらい売れていたかは知らないが)。
そんなふうについつい肩入れしたくなる作品でしたね。
重箱の隅をを突くつもりはないんですけど、気になったのは聡明であるはずの早川織絵がつまんない男に引っ掛かっちゃうことですね(詳しい説明はないですが)。
どうして女性って自分のことを愛してくれない男性のことを愛するのか、自分にはよくわかりません。
それは男性だって一緒でしょ!ってフェミニストの方から怒られそうですが、自分は男性なので同じ男性がつまんない女性に引っ掛かっても何とも思わないんですよね。
むしろ「ざまーみろ!」ぐらいにしか思わない、、、おっと失言はこれぐらいにしておきましょうか。笑。
ともかく『楽園のカンヴァス』は面白かったです。
基本的に自分は漫画であれ、小説であれ、映画であれ、薦められた作品は出来るだけ読む(or見る)ようにしています。
薦めた人も理由もなく薦めたのではないだろうし、何より自分のような変わり者に何かを薦めようとする人自体が絶対的に少ないんですよね。
だから余裕で薦められた作品を消化できるのです。
それはともかく、『楽園のカンヴァス』、とても面白かったです。娯楽作としてよく出来ていると思いました。
今年何冊本を読むかわかりませんが、間違いなくベスト3には入ると思います。三冊しか読まないかもしれないけど。笑。
作者の原田マハは、デビュー作が『カフーを待ちわびて』という癒し系っぽいタイトルなので(未読です)、何となくそういった作品ばかりを書く、自分には無縁の作家なのかと思ってましたが、巻を措く能わずの傑作も書くのですね。意外でした。
ニューヨーク近代美術館のキュレーター、ティム・ブラウンはある日伝説の名画コレクターであるコンラート・バイラーから招待状を受け取る。
彼の所有する、アンリ・ルソーの幻の名画の真贋鑑定をティムに依頼しようというのだ。
スイスのバーゼルにあるバイラー宅に着いたティムは鑑定を依頼されたのが彼一人だけではなかったことを知る。
もう一人の鑑定人、それは美しき日本人女性だった…。
本作の主人公は間違いなくティム・ブラウンなんですが、先に登場するのはヒロインである早川織絵です。
彼女が監視員として勤める大原美術館には一度行ったことがあります。
作品の中で触れられているエル・グレコ作『受胎告知』もこの目で実際観たことがあるのですが、それほど感銘は受けませんでした。
世界的な名画を目にしても感銘を受けないのですから、自分には如何に美術的センスがないかわかるというものです。
話を早川織絵に戻すと、彼女は美術館の監視員として冴えない日々を送っています。
けれどあることが切っ掛けで彼女が実は凄腕のキュレーターであったことが明かされるのです。
この展開が問答無用でカッコいいんですよ。
そして時が遡り、ティム・ブラウンの視点で物語は語られるのです。
物語の興味を引くポイントはいくつかあって、まずルソーの作品が本物なのかどうか、次に二人のうちどちらが真実を見抜くか、そしてもう一人の主人公と言っていいアンリ・ルソーがどのような生涯を送ったか、ですね。
不遇の画家といえば、まず何といってもフィンセント・ファン・ゴッホのことを思い浮かびますが、ルソーがゴッホに負けず劣らず極貧の生活を送っていたことはまったく知りませんでしたよ。
あの南国を思い起こさせる作品から、南の楽園でのんびりとした生活を送りながら好きな油絵を描いている、裕福な男をイメージしてました。
全然違うのですね。
そのことを知っただけでも本書を読んだ甲斐はありました。
本作は直木賞にノミネートされて落選し、さらに本屋大賞でも一位には選ばれなかったそうです。
直木賞はやっぱりダメですね。
直木賞って何より娯楽作品として面白いかどうかが選考の第一基準であるべきで、これ以上の娯楽作品ってそうはないと思うけどなぁ。
本屋大賞も受賞作である『海賊と呼ばれた男』とどちらが作品として優れているかではなく、受賞以前にすでに五十万部売れていた『海賊~』よりもこちらを選ぶべきだったと思うなぁ(『楽園のカンヴァス』がどれぐらい売れていたかは知らないが)。
そんなふうについつい肩入れしたくなる作品でしたね。
重箱の隅をを突くつもりはないんですけど、気になったのは聡明であるはずの早川織絵がつまんない男に引っ掛かっちゃうことですね(詳しい説明はないですが)。
どうして女性って自分のことを愛してくれない男性のことを愛するのか、自分にはよくわかりません。
それは男性だって一緒でしょ!ってフェミニストの方から怒られそうですが、自分は男性なので同じ男性がつまんない女性に引っ掛かっても何とも思わないんですよね。
むしろ「ざまーみろ!」ぐらいにしか思わない、、、おっと失言はこれぐらいにしておきましょうか。笑。
ともかく『楽園のカンヴァス』は面白かったです。