この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

追想五断章。

2009-12-10 23:31:20 | 読書
 米澤穂信著、『追想五断章』、読了。


 よし、貸し出し期限内に『追想五断章』を読み終わったゾ♪(結局『じーさん武勇伝』は読めなかったけど)。

 自分には刊行される著書を無条件で購入する、「コンプリート作家」と読んでいる作家が現在四人いるんですけど(伊坂幸太郎、乙一、森見登美彦、辻村深雪)、その四人に続く、いわば「コンプリート作家」候補作家の一人が本書の作者である米村穂信です。
 近作で読んだ彼の作品はどれもよかったです(特に『インシミテル』はミステリ好きには超お薦め!)。

 さて、『追想五断章』ですが、これまたとてもよかったです。読んですごく満足しました。
 といっても純粋に読み物として評価するとなるとそれほど評価は高くありません。ぶっちゃけ大して面白くもない。
 何がとてもよかったかというと、それは作品内の仕掛け。
 これは、、、唸らされましたね。
 よくこんなことを思いつくな、そして作品としてまとめられるものだなと感心しました。
 似たような感想を持ったのが乾くるみの『イニシエーション・ラブ』で、あれも読み物としては大して面白くないですが(ただの二流の恋愛ものですからね)、仕掛けがすごいですよね。
 作風はまるで違う両作品ですが。

 万人にお薦め出来る作品ではありませんが、本書はちょっと毛色の変わったミステリーを読んでみたいという方にはお薦め出来る一作です。
 米澤穂信、次回作は図書館で借りずに本屋で買ってみようと思います。
コメント
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