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この世界の憂鬱と気紛れ

タイトルに深い意味はありません。スガシカオの歌に似たようなフレーズがあったかな。日々の雑事と趣味と偏見のブログです。

嫌われ松子の一生。

2006-06-04 23:39:53 | 新作映画
中島哲也監督、中谷美紀主演、『嫌われ松子の一生』、Tジョイ久留米にて鑑賞。


原作つき映画と映画化された原作の、理想的な関係をこの映画の中で見たような気がします。

先日鑑賞した『陽気なギャングが地球を回す』、あれは本当に最悪でした。
あの映画を見て、原作を未読だった人がわざわざ原作を読んでみようという気になるとは到底思えないし、原作をすでに読んだ人があれで満足できるとも思えない。
せいぜい、まぁまぁの出来だった、という程度の感想がやっとではないでしょうか。
「まぁまぁの出来」程度の作品しか作れないのであれば、最初から映画化してくれるなよ、原作の熱烈なファンとしては切実にそう思います。

原作つきの映画というのは何も原作を忠実に映像化すればよいというものではない。
ではどうすればよいかというと、もちろん模範解答があるわけじゃなく、けれど、その答えの一つが間違いなく映画『嫌われ松子の一生』の中にはあるように思えるのです。

原作は未読ではあるけれど、おそらく救い難いほど重く、悲惨なドラマでなんでしょう。
それを映画化しようと思い立つ、しかも天井知らずのハイテンションムービーとして、中島哲也はやはり只者ではない。
すごい才能だと思わずにはいられません。

公開一週間遅れで鑑賞したので、他のブログの本作についてのレビューを読む機会があったのだが、本当に賛否両論、真っ二つでした。
ただ、この作品については絶賛するレビュー、酷評するレビュー、両方に共感出来ました。
例えれば、出発地から目的地まで、どのような運転をするか、なのではないでしょうか。
普通なら、交通法規を遵守し、カーブではスピードを落とし、同乗者が出来るだけ快適な気分でいられるようなドライブが理想だろう、とは思う。
けれど、エンジンを掛けたと同時にいきなりトップギア、あとはブレーキを一切踏むことなく、信号にも停まらずに、それでも無事目的地まで着いたのであれば、やはり運転手の技術は尋常ではないといえよう。

映画『嫌われ松子の一生』は観る者に優しい映画ではない。鑑賞後、ひどく疲れもします。
体調が万全でない時の鑑賞は到底薦められない。
また語られるお話も実はどうということはありません。
文章なら二、三行でまとめられる程度の内容です。
何だか褒めてるのか、貶しているのか、さっぱりわからないレビューになってしまったけれど、間違いなく中島哲也監督の才能は本物だし、映画『嫌われ松子の一生』は掛け値なくすごいです。
もし今週末、何か面白い映画はないかと探している人がいれば、自分はこの映画を薦めます。
ただ前述の通りくれぐれも体調は充分に整えてから観に行ってください。(自分は三本ハシゴしたうちの一本でこの映画を観たので三本観終わったあと、車の中でダウンしました。)


最後に個人的な感想を述べさせてもらうと、女性って誰しもが“松子”的な内面を持ち合わせているのでは、と思えました。
つまり、女性は自分を幸せにはしない相手のことを好きになるという・・・。
私はそんな面は一切持っていない!という女性の方、是非コメントをください。笑。
コメント (9)
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