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読書ノート 巽 好幸著 「なぜ地球だけに陸と海があるのかー地球進化の謎に迫る」 岩波科学ライブラリー

2018年09月21日 | 書評
地球内部構図と地震波伝播速度

太陽起源から地球進化の謎に迫る、陸と海の関係から読み解く 第5回

1) 序章ー陸惑星地球 (その2)

一般的に星は宇宙空間に漂うガスとダストを原料として誕生した。衝撃波の揺らぎで分子雲の凝縮が進むと、中心に太陽を持つ「原子太陽系円盤}が作られた。太陽から三天文単位(地球・太陽間距離1.5億Km×3)に位置する「雪線」(H2Oの昇華温度170°K)の内側では岩石や金属、外側では氷が主成分である。雪線ないでは岩石の微惑星(大きさ数Km)が形成され、重力による衝突・合体を繰り返す。大きいものほど重力によってさらに大きくなる「暴走的成長」が進み、月程度の大きさの岩石型「原始惑星」と成長する。太陽からの距離が遠くなるほど広い範囲から微惑星を集めることができるので、大きな惑星が形成されやすい。地球型惑星の領域では、原子惑星がさらに衝突・合体して惑星が作られた。木星よりさらに外側の惑星は衝突頻度が低いためガスが散逸し密度の低い惑星になった。太陽からの距離によって、しっかりしまった地球型惑星、巨大な木星型惑星、天王星型惑星に分けられる。地球型惑星の外側には、木星の巨大な質量によって星になり損ねた小惑星帯がある。この帯から隕石が地球に落ちることがある。そのなかには「始原的」な「炭素質コンドライト」の岩石も僅かながらある。いまから45億7000万年前に太陽系惑星の形成が始まったとされている。それはビックバンより93億年後の事である。集積と合体のエネルギーは熱に転換された。その岩石の揮発成分がガス化して宇宙へ散逸したものもあるが、十分大きな質量を持つ地球では重力によって原子大気の誕生となった。原始地球は高温で全体が溶融して「マグマオーシャン」が分布していた。密度の高い金属は中心に沈んでゆき地球に金属核が作られた。45億2000年前、巨大惑星「ティア」が地球に衝突し月が誕生した。隕石の集中的落下・集積は、38億年前から40億年前で止まった。微惑星の集積がほぼ終了し地球表面が冷却に向かったのは38億年前となる。45億年前から38億年前の時代を「冥王代」と呼ぶ。冷却に伴い地殻が構成され、プレートテクトニクスが作動しはじめた。グリーンランドのイスアにその滑り込み地層に付着した「付加体」が発見され、地球最古の生命の誕生を物語る。ここから「始生代」とよぶ。地球の内部構造を図-4に示しました。地球の内部には地震波トモグラフ測定により、何段階にわたる「地震波不連続面」が存在します。一番浅い不連続面は地殻と上部マントル層の間(海底では6Km、大陸ではもっと深い)に「モホロヴィッチ不連続面(モホ面)」が存在し、第2の不連続面は400Km、第3の不連続面は600Km、ここまでは一様にP波は速いがS波は遅い、そして地層密度はは小さい。さらに深い第4不連続面は2700Km-2900Kmに存在するD"層です。その下の外核層ではP波の伝播速度は大きく低下しs波は伝わらない。密度はぐっと高くなります。第5の不連続面は5100Km下の外郭と内核の境界です。内核ではs波は少しは伝わり、p波も速くなります。この5つの不連続面ができるのは構成する物質が異なるためです。上部マントルはカンラン石のスピネル構造で、下部マントルがその構造がペロブスカイト構造となります。これらは岩石の構造の相変化を表します。D"面ではポストペロブスカイト構造になり、それより下の外角の物質は鉄ーニッケル合金(鉄88%、ニッケル8%、ケイ素6%)(液状)です。内核は鉄ーニッケル合金(固体)です。マントルを構成する物質はカンラン岩で元素はケイ素45%、アルミ4%、マグネシウム38%、鉄8%などです。地殻岩石組成は陸上地殻と海洋地殻に特色があります。大陸地殻の鉱物岩石はより軽元素に富み、低密度です。海洋地殻は明確に三層構を持ちます。上から堆積層、玄武岩の溶岩層、そして玄武岩の深成岩である「斑れい岩」で構成される。上の右の図に示すように、陸上地殻は花崗岩、海洋地殻は玄武岩で、物質構成は陸上地殻は二酸化ケイ素が主成分で61%で、海洋地殻は50%です。酸化カルシウムは海洋地殻で11%ですが、陸上では6.6%です。酸化鉄は海洋地殻で11%、陸上地殻で4.2%です。海洋地殻とマントルとの境界であるモホ層の近くの第3層の下部は蛇紋岩で構成されている。大陸地殻の密度は2.7g/立方cmです。地球のクラスト地殻は地球全体の1%にも満ちません。大陸地殻の厚みは海洋のそれより圧倒的に大きいので、体積で7倍、質量で4倍を占める。

(つづく)
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