ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

自作自由詩 「曼珠沙華」

2006年09月09日 | 漢詩・自由詩
     曼珠沙華
 
力なく夕陽が地面を朱色に染めるころ
   稲穂は眠そうに頭を下げる


蕎の花が雪のような肌を誇るとき
   月は東の空に薄っぺらな顔を出す


私は希望なんぞあるはずはないと胸にいい聞かせて
   ただ夜の暗い曖昧さにひたる


私は生きている生きていると思っては
   どうでもいいのだと深いため息をつく


女の細い髪の毛が巻き上げるように飛翔するとき
   曼珠沙華は風と交差する


薄ぐらい夕闇の小さな紅の花
   やがてしじまに消えてあとかたもなし



アスベスト中皮腫死亡者は2010年ごろにピークを迎える

2006年09月09日 | 書評
asahi.com 2006年09月09日08時00分
アスベスト被害 中皮腫死亡者数05年度は911人に 死亡者数のピークは2010年以降と予想 人口動態統計
 「アスベスト(石綿)が主な原因とされるがんの一種「中皮腫(ちゅうひしゅ)」による死亡者が05年は911人で、04年より42人減ったことが厚生労働省が8日公表した人口動態統計で分かった。内訳は男性722人、女性189人。都道府県別では90人の兵庫が最多で、大阪(87人)、神奈川(80人)、東京(73人)の順だった。
 中皮腫による死亡者数は95年の統計開始以来、98年を除き増え続けており、同省は「05年はインフルエンザでの死亡者数が多く、中皮腫を患っていても直接の死因はインフルエンザというケースがあったのではないか」と、減少は一時的なものとみている。石綿使用量のピークは70年代前半で、潜伏期間は平均43年程度とされるため、アスベスト関連疾患研究センターは「死亡者数のピークは2010年以降」と予想している。」

アスベスト中皮腫死亡者は2010年ごろにピークを迎える
特にコメントするわけではなく、この記事は大変正確なリスク予測をしているので気に入った。すると毎年1000人以上の方がアスベストによる肺がんで亡くなることになる。痛ましいことだ。アスベストの毒性が疑われて久しいが、産業界の希望で製造・使用を黙認してきた国の罪はお粗末に尽きる。エイズ、C型肝炎など血液製剤による病気の蔓延を放置したことも厚生省の三大失策に数えられる。