ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

都留重人 編「現在資本主義と公害」(岩波書店)

2006年09月21日 | 書評
 今から約38年前、日本は高度経済成長のつけである公害に見舞われていた。公害防止基本法が成立し、企業は全力を上げ対策に邁進した結果、水質汚濁・大気汚染防止にはかなりの成果をあげた。また石油ショックによる省エネルギ技術開発、マスキー法による自動車低燃費技術・排ガス処理技術、公害防止機器産業など多くの副産物を得た。現在は公害問題から地球環境問題に衣を変えているが、当時の公害問題の理論的背景をなした本書の歴史的価値を総括することにより将来に備える趣旨で取り上げた。今日、企業も変化し公害の様相も一変したが本書の主張のかなりの部分は依然として成立する。私のホームページに都留重人 編「現在資本主義と公害」(1968年)の書評があるので参考にしてください。

日中関係修復の兆しになるか

2006年09月21日 | 時事問題
asahi.com 2006年09月21日12時01分
扇参院議長、10月訪中で調整 首脳級会談も
 「日中両国は21日までに、扇千景参院議長が10月中旬に中国を訪問する方向で最終調整に入った。現段階では、安倍晋三官房長官が新首相に就任して初めての日本側の要人の訪中となる見通しで、中国側は首脳レベルによる対応も検討している。小泉政権下で冷却化した日中関係の修復に向け、日本側に「政治的障害の除去」を求める中国側は、11月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)の機会を利用した日中首脳会談の可能性を検討する中で、要人の往来を活発化させて関係改善への機運を高める狙いもうかがえる。」

子供じみた強情な喧嘩外交から、大人のバランス外交の時代へ期待膨らむ
 安部総裁はDNA的には岸第3時内閣とも言われており、今後日米安保体制を政治的基本となす内閣で運営されるだろう。アメリカ議会からも日中関係のよりよい方向への転換を求められており、これが六者協議への障害にならないように期待されている。したがって安部総理は靖国参拝という子供じみたパフォーマンスはせず外交的に動いて欲しい。日中・日韓関係の修復こそが東北アジアの安定と北朝鮮への核阻止外交となることを期待したい。

君が代斉唱通達は違法 画期的判決だが、高裁で覆されるだろうな

2006年09月21日 | 時事問題
asahi.con 2006年09月21日14時59分
式での起立・斉唱定めた都教委通達は「違法」 東京地裁
 「卒業式、入学式で教職員に国旗に向かって起立する義務や国歌を斉唱することを命じ、違反した場合に処分することを定めた03年の都教委の通達の適法性が争われた訴訟の判決が21日、東京地裁であった。難波孝一裁判長は、(1)教員らには起立、斉唱の義務はない(2)不起立・不斉唱、ピアノ伴奏の拒否によって処分をしてはならない(3)原告401人に対する1人3万円の慰謝料支払い――を命じた。
 判決は国旗・国歌法で日の丸・君が代が国旗、国歌と規定された現在でも、なお国民の間で宗教的、政治的にみて価値中立的なものと認められるまでには至っていないと述べた。」

都教育委員会の、式での君が代斉唱通達は違法
 画期的な東京地裁判決が出た。趣旨は君が代と言う国歌には忌まわしい思い出が残っており、国民の間でも喜んで迎えない人もいるのでこれを強要することは出来ないとするものだ。左翼的な判決で画期的だ。この判決を右翼を代表する石原都知事が聞いたらびっくりしてあの判事を辞めさせろと騒ぎ出すだろう。しかし現在は小泉・安部と右翼系内閣が続くので、この判決内容は恐らく高裁までの命だろうな。