ブログ 「ごまめの歯軋り」

読書子のための、政治・経済・社会・文化・科学・生命の議論の場

自作漢詩  「悼濱島君江女史]

2006年09月08日 | 漢詩・自由詩
         悼濱島君江女史

訃到傷心徹肺     訃到り傷心 肺肝に徹す
佳人薄命幾辛     佳人薄命 辛酸幾ほどぞ
生涯是夢悲塵世     生涯是夢 塵世を悲しむ
君去何之涙不     君去り何に之くや 涙乾かず

(赤い字は韻:一四寒   七言絶句仄起式)

中国の環境汚染損失7.5兆円 GDPの3%

2006年09月08日 | 書評
読売新聞2006年9月8日朝刊9面
中国の環境汚染損失7.5兆円 GDPの3%
 「中国国家環境保護局と国家統計局は7日2004年度の同国の環境汚染などによる損失が7.5兆円に達することを発表した。この額は中国のGDP約3.05%に相当し、深刻な環境汚染の実態が裏付けられた。中央は環境保護政策を打ち出しているが、地方では開発による環境汚染が続いている。水質汚濁が全体の損失の56%、大気汚染が40%である。この汚染を処理する初期投資だけで15.8兆円が必要と見積もられている。」

開発途上国中国の環境汚染、国が大きいだけに凄まじい
 私は15年前会社の仕事(環境機器)で何回も中国を訪れた。当時では未だ天安門広場事件で騒然とした情勢であったが、小平主席はその後国内の民主化の不満をそらすために経済特区など一国二制度という画期的な政策(毛沢東から言わせれば資本主義に歩み寄った修正主義)をとって、その後の中国の経済発展の基礎を作り、外国からの資本導入を計った。当時の環境汚染もひどかった。下水道は無く、上海や蘇州は悪臭紛々であった。そして中国は外貨がなかったので石油は買えないので、国内に豊富にある石炭でエネルギーで産業育成をした。お陰で大気汚染は凄まじく、黄砂と同じくNox,Soxといった汚染物質は日本を襲った。日本の酸性雨の原因は中国にあった。公害の自然輸出であった。中国の環境汚染対策は日本の大気汚染対策にとって決して見逃せない要因であった。そのため日本は製鉄所などの汚染対策や省エネにODAを使って援助した。
 中国の環境汚染対策については私のホームページ環境問題書評でも取り上げたので参照ください。下の書名をクリックしたら直接書評を見られます。
定方正毅 著  「中国で環境問題にとりくむ」
定方先生は中国の環境対策の要点と、地球温暖化防止京都議定書のクリーン開発メカニズムの連結を主張される。以下に要点を示す。
① 設備コスト1/4化:中国の設計、材料、労働力と平均脱硫率を95%から70%へ低下させることで可能
② 乾式法と有用な副産物利用:水不足に喘ぐ中国では日本の湿式石灰-石膏法は採用できない。
③ 中国側の積極的な参加:中国自ずから2号機を設計製作できる力を養成すること。
日本の発電・製鉄技術移転によれば中国の炭酸ガス低減予測量は3.8億c-トンと見こまれ、我が国の炭酸ガス総発生量の34%に相当する。