アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

バスと路面電車

2012年12月16日 | インポート

Basu_2 那覇に来てすぐに困ったことの一つは、バスの不便さでした。電車がモノレールしかない那覇では、ちょっと離れたところへ行くにもバスしか移動手段がありません。ところがこのバスが、路線が分かりにくい、時間通りこない、運賃が高い、便数が少ない、車体が古いと「5拍子」そろっているのです。なんとバス会社が4つもあって路線が入り組んでいますから、目的地へはどのバスに乗ればいいのかわからず、何度もバスセンターに問い合わせました。入口と出口が同じで、料金は昔ながらの現金払い。ICカードなどなく両替をして入れます。それでなくても自家用車が多くて道は混みますから、時刻表通りこないのも当然です。まさに時代遅れの悪循環です。
 なんとかならないものかと日頃思っていたところ、「沖縄の地域公共交通を考えるシンポジウム」が14日那覇市内であったので、行ってみました。現状認識はみなさん同じようで、業績を伸ばしているモノレールと低下しているバスが比較され、軌道交通としてのモノレールの優位さが強調されました。
 私は以前暮らしていた京都の市電を思い出しました。私が住んでいた70年代にはまだ市電があり、とても便利でした。それが市電が廃止されバスが主流になったとたん、京都市内は渋滞が激しく、住民にとっても観光客にとってもたいへん不便な街になってしまいました。あらためて路面電車のよさを痛感しました。
 翌日の新聞を見て驚きました。なんと「路面電車走らせよう」の見出し。「公共交通とLRT(未来型路面電車)・鉄軌道を考えるシンポジウム」が8日うるま市で行われたというのです。なんという偶然でしょう。いいえ、これは必然なのかもしれません。那覇でも路面電車を走らせることをほんとうに真剣に考えるべきだと思います。

<今日の注目記事>「琉球新報」(12月16日付)から

 「沖縄の基地 米で出版」
 「沖縄の米軍基地問題を住民の視点で照らした本「RESISTANT ISLANDS」(抵抗する島々)が今夏、米国で出版された」。東京出身でカナダ在住の著者・乗松聡子さんが来県しました。「沖縄の視点で基地問題を書いた英語の本はほとんどない。海外の人に現状を知ってもらいたい」と思ってニュースを英語でネット発信してきた乗松さん。「今までの人生で何もしてこなかった分、残りの人生は沖縄のために尽くしたい」。その言葉が胸に突き刺さります。


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