アリの一言 

天皇制、朝鮮半島、沖縄の現実と歴史などから、
  人権・平和・民主主義・生き方を考える。
   

父から娘たちへ・・・

2012年12月26日 | 日記・エッセイ・コラム

Deigomusume 「御万人大行動」(23日)での”出会い”がもう一つ。
 集会が始まる前のアトラクションはプロの歌手が次々登場する贅沢な企画でした。その一つが4人姉妹グループの「でいご娘」(写真)です。琉球の衣装に髪型、三線、琉球音楽、美しい女性たち。「本土」から来たばかりの私はうっとりです。でも、会場で配られたチラシや歌の合間に語られた話から、華やかな演奏の裏にたいへんな物語があることが分かりました。
 でいご娘の代表曲は「艦砲ぬ喰ぇーぬくさー」。直訳すると艦砲の砲弾の食べ残しですが、戦争で受けた砲弾の傷はまだ残っているよ、という意味だとあとで知人に教えてもらいました。作詞作曲はお父さんの比嘉恒敏さん。恒敏さんは1944年長男と父親を学童疎開船「対馬丸」の撃沈で失い、さらに翌年出稼ぎ先の大阪で大空襲に遭い妻と二男を失いました。戦後再婚して生まれたのがでいご娘たちですが、沖縄復帰翌年の73年米兵の飲酒運転による事故で妻とともに56歳で他界。最後の作品となったのが「艦砲ぬ-」です。
 集会のあとCDを買いました。解説文によれば、比嘉さんが何度も推敲したのが5番の歌詞で、はじめは「また戦争にならないように世界の人々が友達になろう」という意味が書かれていたそうですが悩んだ末に、「恨んでも悔やんでも恨みきれない。これが子子孫孫への遺言だ」になったとか。
 きれいごとではすまない、すますことができない戦争への恨み。ゆったりした美しいメロディーが逆に無念さをかきたてます。娘たちはその父の心を歌い続けているのです。
 ”私は自分の息子や娘に何を引き継ぐことができるだろうか・・・”

<今日の注目記事>「沖縄タイムス」(26日付)から

 「オスプレイ 違反飛行6割超 日米合意さえ守られず」
 「県基地対策課は25日、オスプレイの飛行実態をめぐり、県と市町村が10月1日~11月30日に目視調査した結果を発表した。確認された517件のうち318件(61・5%)が運用ルールを定めた日米合同委員会合意に違反するとされた。これまでも指摘されてきた合意違反の常態化があらためてデータで裏付けられた」。さらに解説では「実際の割合はもっと多い可能性がある。・・・(日米合意は)オスプレイを強行配備するための『当座しのぎ』だったと言われても仕方ない」。


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