読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

池永陽「向こうがわの蜂」~摂理に愛を遂げることを妨げられる薫と黄昏の愛☆人の真の幸せとは?~

2017-09-16 03:24:19 | 
池永陽「向こうがわの蜂」読み終わりました。



実に深い内容でした。



いつも


私が思っていたことが


この本に凝縮されていて


驚きと感激




真の幸せとは何か



人それぞれ



幸せの価値


は違っていて




ある人にとっては



幸せなことも・・



ある人にとっては


不幸せなこと



そう言うこともあるのだということ。




そして


「偶然」というものはなくて



それは


なるべくしてなるということ。




人には動かすことのできない



見えない何かに


私たちが動かされているってこと。





人の身勝手な行いが



これからの世界を変えてしまう。。




そういうことはやめようよ!



そんな声も聞こえたような気がします。





自分の生きてる世界は



沢山の人たちの努力が積み重ねられている☆




そんなことも思いました。




だけど


この小説の中では


その事が重くなりすぎず・・



時には


笑いもあり


深い内容を分かりやすく届けてくれます。







会社をリストラされた



25歳 男性



小柳薫




薫は


突然


歯痛に苦しめられる!!



身もだえするような激痛に耐え兼ね・・



近くに会った歯科医院に飛び込む!!




そこにいた


「女医」は


大きなマスクで目だけを出していた。



患者は誰もいなく・・



女医は挙動不審



歯痛を「方便」などと言う。



薫は女医の名前を聞くが


頑なに名前を言わず


じゃ


「ジョイ」とカタカナでそう呼んでくれと。




ジョイは治療費は後でいいという



「ごきげんよう薫君」



とやけになれなれしく送り出す。




次の日



治療費を払いに行くと



「昨日は休診日でした」と受け付けの人に言われる。



納得できない薫



友人の強面の健吾を連れて再び訪れるも・・



警察を呼ばれそうになり



やむなく歯科医院を後にする。




そこへ



歯科衛生士の「多田野黄昏」が追いかけてくる。



薫と話がしたいと。




そして


時間を改め


2人は会う。



そして


昨日治療が行われたことは事実のようだと。



それは


薫と黄昏を引き合わせるための


方便だったのだという。



そして


薫と黄昏は


出会う運命だったのだと。



それは


男女としてではなく


人間同士としての。



2人の使命は



地底に隠された宝物を探すことなのだという。




黄昏は



薫に一緒に住むことを提案する。



無職の薫は家事をやってくれたら家賃はいらないと。



理由はよく分からない薫だったが


この話に同意する。



そして


黄昏の住む洋館風の古いアパート


「斜陽館」に住むことになる。




そこの住人



JAに努める「山川」は



薫に会い



一緒に地底への入り口を探してほしいという。



薫にはその力があるのだと。



自らを「JAの回し者」という山川



頭はバーコード



体は小さくし痩せてしなびたような57歳



2年探しているが


その入り口は未だ見つからないのだという。




黄昏にそのことを話すと



一緒に探してという。




薫と山川は斜陽館の中を探し回る。




そして・・



その入り口は見つかる!!




薫・山川・黄昏はその入り口に入る☆




そして



たどり着く


昭和40年代の町




平成と同じ


斜陽館も見つける。




研究棟のようなものが経つ斜陽館




そこに


「宝物」は見つかるのか?!




突然姿を消した



蜜蜂



そして


ホームレスたち




ホームレスをしていた健吾




薫は健吾に再会する


国家の回し者になっていた健吾



そして


目的が同じもの同士の



国家の回し者たちと


薫・山川・黄昏



そして


昭和の案内人「響」



響は



算盤クイーン



算盤で宝物の在処を見つけ出す?





平成と昭和



2つの時代が



1つになるとき



何かが変わる




ナチスドイツがUボートで運び込んで隠したものとは?!




原爆?




それとも?





世の中の生態系を崩すことで・・




生まれ変わる何か?!





どんどん惹かれていく



薫と黄昏



しかし!



2人が結ばれることは



生態系を崩すことに!




昭和と平成がシンクロする




そのキーワードは




「蜂」だった




薫と黄昏の愛のゆくへは





見かけによらず



ロマンチスト(昭和で初恋の人を探す)で



めっちゃ強い山川





自らホームレスを選び生活する



剣の達人の健吾




算盤クイーンの響




癖のある登場人物たちがまたいい





「逢わなければいけない人を避け、逢わなくていい人に逢いたがる。それが現代人の傾向。

 すべて人間の我と慢心によるものだけど、そういう方向に進んでるのは確か。

 その結果、人間の向かう先に大きなずれが生じて歪みが出てきた。」





「人はその人に見合った幸せを与えられ、そして、その人に合った

 不幸を背負わなければならない。」




「持っている特性は違っても、得るものは等価値」




そんな心に残る言葉がたくさん出てくる。




そんなところも読みどころだと思います。




昭和40年代の町並みや


土の匂い



この年代に生まれた人には懐かしく♪



平成生まれの人には新鮮な♪



そこもいいんじゃないかな^^




自分のこれからの生き方や価値観も



これを読むと変わるかも




読み応えのある1冊だと思いますよ





















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