読書って楽しいね♪

好きな作家は東野圭吾さん☆他の作家さんのもいろいろ読んで感想を書いていきたいと思います♪

堂場瞬一「捜査一課 澤村慶司~歪」~人を殺してもなんとも思わない「自分は特別」と思い込んでいる者同士が出会ったとき!~

2017-07-02 03:44:10 | 
堂場瞬一「捜査一課 澤村慶司~歪」読み終わりました。




このシリーズ初めて読んだのだけど・・


2作目から読んでしまった(^^;



1作目の「逸脱」を飛ばしてしまったけれど・・



内容的には問題なく読めました。




刑事という仕事にまっすぐで



「これだ」と思ったら突き進んでしまう




それが澤村慶司




らしい。




1作目で澤村は



心と体に傷を持ってしまったらしいことがうかがえる。




そして



谷口課長や初美との1作めであった関わりは


よく分からないけど


澤村を信頼していい関係ができていることがうかがえた。



そして


独特のキャラクター


アフロヘアで太めの



県警情報統計官「橋詰真之」


プロファイリングの専門家



この男にいつもイライラさせれているらしい澤村




しかし



いつも歯車のかみ合わない橋詰の話にイライラさせられている



澤村が



今回の事件で


橋詰に言葉に救われる思いがする。




「刑事の仕事って何だと思う?法体的に組み込まれた仕事の解釈なら、簡単だよ。

 犯人を捕まえて、裁判に持っていけるまで容疑を固める。その間に徹底的に話し合い、

 改心させるのも大事なことだよな。それでこそ、裁判では事実関係はひっくり返らず、

 スムーズに進むんだし。世間の人間も、警察に対してそういうイメージを持っている。

 じゃあ、、最高の刑事って何だ?」



「定義はともかく、澤村先生は最高の刑事になるべきだと思うんだよな。」




そういう橋詰




「夢想」の世界で生きてきた犯人2人



それに対峙するのは



心をすり減らすだけだと。





犯人2人に対していう言葉が見つからなかった澤村





この言葉に救われた気持ちがした。



そういう自分はどうなのだろう?という思いは消せないものの。。







日向は



堅実に生きる親を馬鹿にし・・



「自分は特別なんだ」と思い込み



友達も作らず



人を寄せ付けずに生きてきた。




大学に入学と同時に家を出て



詐欺を働き儲けた金で



新しい生活を始めようとしていた。





その裏で



日向は



仲間に引き入れていた後輩を



殺してしまう。




使えない人間・・



生きていても価値のない・・



自分の妨げになる人間だからと



殺しても何も感じない日向





実家に隠していた現金を取りに行き



その金を持って



海外に逃亡を図ろうと計画していた。




しかし



帰りに偶然高校の同級生だった「真菜」に会う。




疲れ切った様子の真菜



高校の時


一度も話したことが無かった2人





真菜に「日向君」と気づかれ・・



面倒ごとに巻き込まれたくないと思いながらも




方向の同じ真菜を車に同乗させてしまう。




高校時代から



人目を惹く容姿と独特のオーラがあった真菜



そんな真菜に



日向もどこか惹かれていた。



そんな心の油断が・・



日向の計画を狂わせていく。




実は


真菜も


人を殺し



逃亡中だった




マイナスとマイナスが出会い




プラスになって向かう先は・・



破滅への道




「空っぽな」茉奈



「自分だけが特別」な日向




自分以外の人間を



存在価値がないと思っている2人に




待っていた結末とは





「心」が通じない2人に



澤村の心は伝わらないのだと・・




橋詰は言いたかったのだろう。





どうして



そんな風に考えてしまうようになったのだろう?





生まれ持ったもの?



環境?




雪深い閉鎖された町で育った2人




母一人子一人だった真菜




公務員の父と専業主婦の母と弟を持つ日向




何がそこまでになってしまったんだろう??




苦労して働く母親の背中を見て育ち



自分の子供に愛情を注げなかった真菜




堅実に地味に生きる親を「つまらない」と思う日向





自分の尺度では測れない他人の人生。





難しいなぁ。。





澤村の熱意の通じる相手ばかりではない。





考えさせられました~。





このシリーズ「逸脱」から読んでみよう~♪










  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする