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トルコ最後の遊牧民が冬の移住を始めた

2023年11月28日 | 国内
11月30日 トルコにわずかに残る遊牧民サルケチェリ・ヨリュクが、中央アナトリア・コンヤ県の「夏の牧草地」で6か月を過ごした後、冬の居住地へ向かって、ラクダとともに旅を始めました。

 HUrriyet

中央アジアで何百年も遊牧生活を送ってきたトルコ族ですが、19世紀以降、遊牧民は次第に減ってきています。トルコの遊牧民たちは、年の半分を中央アナトリアで過ごし、冬は故郷の南部諸県に移住するという生活スタイルを何百年も続けてきました。

ほぼ250人いるサンケチェリ・ヨリュクたちは、時代の流れに抗い、苦労しながら、彼らの生活様式を守りつづけています。遊牧民たちは、コンヤのバドゥム地区の夏の牧草地で6か月を過ごした後、11月初めに、200頭のヤギとラクダとともに冬の牧草地へ旅立ちました。

旅に出る前に、遊牧民たちはテントをたたみ、旅行中に食べる食物を用意します。飼っているヤギの乳でチーズをつくり、ストーブで平たいパンを焼き、身のまわりの品をラクダの背に積みます。旅の間、彼らは雨のためにキャンプ地に長く滞在することもあります。彼らは温暖な気候のメルシン県のアイドゥンジュク地区の村で冬を過ごします。

アリ・ウチャルさん(66)は、妻のハティジェさん、婿のムスタファ・ディレクメンさん、2歳半の孫息子アリ・ディレクメンちゃんと、昔ながらの旅をつづけています。天気や道路事情にもよりますが、彼らは1日5キロから10キロ歩くと言いました。

「私たちは20日前、コンヤのハドゥム地区のアラダーラルを発ちました。これからアイドゥンジュクとボズヤズに泊まります。私たちは天気や場所の状況によって毎日の予定を決めます」とウチャルさんは言いました。「祖先からのしきたりを受け継いでいるのは嬉しいことです。遊牧は祖先から受け継いだ私たちの職業なのです」

「次の世代は、おそらく遊牧をつづけることはできないでしょうね。私たちは先人から遊牧の方法を教わったのですから。私たちはラクダを使って旅をしていますが、ラクダは減ってきて、いま持っているのは私だけです」

遊牧民のすべてがウチャル一家のようにラクダを使って旅をしているわけではありません。サルケチェリ・ヨリュクのムスタファ・バジャクさんは、彼の家族たちはラクダの代わりに車を使って現状に対処していると言いました。「30年前との唯一の違いはラクダのがわりにトラクターを使っていることです。ほかに違いはありません」

彼らの子供たちはテントで生まれ、テントで育っていると、バジャクさんは言いました。「ヨリュクにとって、問題は増えてきています。この生活スタイルをつづけるのは、年々、むつかしくなってきていますね」


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