日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

風景 川崎洋

2010-02-11 | 

                      

若者は
とかとかとかとか                            
とか しゃべり

電車の吊り広告には
和風仕立ての英会話教室
とある

うちの28歳の娘は
ついこのあいだまで
英霊を外国人の霊と思ってた
という

小学一年生が
ワープロで打った詩を
送ってくる

テレビの
釣り番組を見れば
波音は消されがちで
かわりに
BGのヴォーカルで
びしょびしょで

放送で詩を朗読しようとすれば
「五体満足」が放送禁止用語で
おじゃんで

わたしはといえば
縄文のころだって
竹と葉っぱでこさえた
ハングライダーが飛び交っていた

ぼんやり
森の上を眺めている


川崎洋(かわさきひろし)は1930年に東京に生まれ1946年頃から詩を書き始めた。
詩人であるばかりでなく歌のための詞やテレビなどのシナリオも手がけた。
また詩や放送部門で多くの賞を受賞している。
言葉に込めた人生観はユーモアに富み、時にはやさしく物悲しい。

写真は飛行機草という名の観葉植物


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