日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

小島一郎 北の地を撮った写真家

2019-02-05 | アート・文化


つがる市稲垣付近 1960年

モノクロ写真から伝わってくる北国の農村に働く人々の風景。
昭和30年代にふるさとの津軽を中心に
北の地で写真を撮り続けた小島一郎。

雲にコントラストを利かせ、よりドラマチックになりながらも
働く人々の普遍性と同時に
そこにいるようなリアリティーが伝わる風景の数々。

吹きすさぶ風、雪、突き刺す寒さ。
厳しい撮影環境の中でシャッターを押したことが想像できる。






つがる市木造 1958年 ミレーの絵画のような農村風景

2011年に放送された「男前列伝」で初めて知った小島一郎という写真家。
ネガから印画紙に「覆い焼き」によって
露光を加減して仕上げた方法で
当時の北国の風景や、名もなき人の労働の姿をダイナミックに、
また絵画的に表現した写真。
ふるさとを愛した小島一郎の思いが伝わってくるようだ。