青山という都会の中、南国の植物が岡本太郎の作品と
一体となっている庭は、太郎が好んだ自然のままの、そして不思議なほど
引き寄せられる庭でもある。
入ってすぐ右にある巨大なオブジェ「樹人」と、顔が重なった「めばえ」
前の記事にも載せたが、お馴染みの「若い太陽」と「歓喜」の鐘。
庭に出た人は皆この鐘を叩いている。
太郎もそうしてくれるのを喜んでいるような。
2階から見た「乙女像」
後ろに茂る芭蕉の葉もオブジェのように圧倒的。
飛び立たんとするかのような群像は「母の塔」、そして横顔は「月の顔」。
シダが植えられた「歓び」と、角がある「動物」が「河童像」を見ているようにも見える。
顔に手を置いている「若い泉」と、白い顔の「犬の植木鉢」
山に見えるけれどタイトルは「あし」。太郎が病の時に自分の足を見て作品にしたという。
前にある4個の陶器は「坐ることを拒否する椅子」。35種類のデザインがあるとか。
左の写真は芭蕉の葉の陰に見える「サカナ」。上に伸びているのは「誇り」か。
大胆にあちこちに広がる芭蕉の葉の様々な表情。
壺や瓦もここでは自然に溶け込んでいる。
そして石に見えるコンクリート造りのテーブルとイス。奥の長い椅子はモザイク仕様。
椰子の仲間らしき木から実がこぼれるように下がっていた。
この庭は太郎が存命中に多くの芸術家、建築家、音楽家、デザイナーや
文筆家などが訪れ、激論を交わしたのだという。
ジャンルを問わず芸術を解した太郎がここに訪れる人を待つ庭。
芭蕉の葉のおおらかさもこの庭で作品とともに太郎の表情を創り出している。
館内に設置されているビデオで、太郎がピアノを弾いている姿を見ることが出来た。
エレガントで大きなエネルギーを秘めていた太郎の深さを感じた記念館。
画像は先月、2月13日と25日の撮影。