日々遊行

天と地の間のどこかで美と感じたもの、記憶に残したいものを書いています

ジャン・コクトーが描いたオブスキュール通り

2010-05-14 | Jean Cocteau

Rue_obscure



南フランスのヴィルフランシュにある「Rue Obscure(オブスキュール通り)」をコクトーが淡い色調で描いたリトグラフ。
1952年 フランス 発行部数不明





絵の下にはコクトーの詩句が書かれている。

Quand je regarde Villefranche,
je vois ma jeunesse
Fassent les hommes qu'elle ne change jamais               
               

ヴィルフランシュを見ていると
若き日々が浮かんでくる
おお人間たちよ、青春が決して色褪せぬよう


Le_testament_dorphee
オブスキュール通りは映画「オルフェの遺言」にも登場する場所で詩人(コクトー)とセジェスト(E・デルミット)が歩き、詩人とそっくりの男とすれ違う場面がある。コクトーが二役を演じた。

ヴィルフランシュの街は小さな街だが、地中海の陽射しが明るく保養地としても知られている。ここは暗く、迷路のように入り組んだ道でどこへ出るのかわからないミステリアスな雰囲気がただよう道でもある。

ヴィルフランシュを愛したコクトーが描いたデッサンと短い詩句は、淡さの中に良き思い出と変わらない憧れが込められているようである。

(詩句は翻訳をしている方が訳してくれました。)