アルチュール・ランボー 「地獄の季節」 より
『幸福』は俺の宿命であった、悔恨であった、身中の虫であった。
幾時(いつ)になっても、おれの命は、美や力に捧げられるには巨(おお)き過ぎるのかも知れない。
身も魂も奪われて、
何をする根もなくなった。
ああ、季節よ、城よ。
この幸福が行く時は、
ああ、おさらばの時だろう。
小林秀雄 訳 岩波文庫
反逆の詩人、ランボーは青春の通過点で、憂鬱、反抗、憎悪、そして憧れと幸福が、奔流するがごとく詩を書き連ねた。
10代の詩でありながら若き天才となったランボーは、現在までに数多の詩人を生み出したといえるだろう。
「この世のものにあらざりしランボー、その眼力この世の見かけを破壊しつくしたランボー、そして一歩一歩その足もとから新しい世界の生まれ出でたランボー」
(モーリャック)
使用した花◆ラナンキュラス、スカビオーサ