アベ・プレボオ原作 「 マノン・レスコオ」 久晃堂 刊
アミアンを去る日が決まった。それがもう一日早かったら!私は汚れない身で両親の家へもどれたであろうものを!
学業を優秀な成績で卒業した17歳の若者、シュバリエ・ド・グリューは、明日故郷へ帰るという日に
魅惑的な女性マノン・レスコーと出会ったことにより破滅へ向かい、
マノンを愛するあまり悪に手を染めていく。
マノンはシュバリエを愛しながらも、虚飾の生活が捨てられず三度の不貞でシュバリエを裏切るが、
シュバリエはそれでもなおマノンの愛を得たいがために賭博、詐欺、脱獄を重ねてしまう。
逃亡の果て、砂漠で力尽きたマノンが息絶えて二人の転落は終りを告げる。
シュバリエの行状に苦悩した父はすでにこの世にない。
どんな時にも理解を示してくれた友の救いで物語は終わる。
アレクサンドル・デュマ 作 『椿姫』では、アルマンがマルグリットに贈った本が
この「マノン・レスコー」であることが書かれている。