サッカールーの何でもござれ パート2

シドニー在住者のサッカーについてのざれごとです。

ルビー・プリンセス

2020-04-05 07:51:35 | 日記

ルビー・プリンセスは悪名高いダイアモンドプリンセスと同じ会社が運営するクルーズ船である。3月19日に2700人の乗客・乗員を乗せてシドニーに到着。乗客のほとんどはオージーである。オージーの高齢者はクルーズが好きなのだ。その時点で2名のオージー乗客がコロナウイルスに感染していると州政府の保健当局は連絡を受けていた。検体を15名分提供すれば乗客全員の下船を認めると保健当局は発表して、2000人あまりの乗客を下船させた。ウイルス検査なしで。

 

ほとんどの乗客は空港や家路につくことになるのだが、かなりの人が公共交通機関を利用した。その結果どうなったか、シドニーのみならずメルボルン、ブリスベン、パースなど全国に散らばった。そして最悪の事態となり、これらの乗客たちから感染者が続出して、現在のところ二次感染を含めて500人以上の感染者を出した。

 

昨日現在のオーストラリアの感染者が5500人くらいだから、ルビー・プリンセスだけで10%を占める。またシドニーから他の州に感染者をばらまいたわけでNSW州の保健当局には非難ごうごうである。

 

最大の疑問はどうしてウイルス検査なしで大量の乗客を下船させたかである。最初はたった2名の感染者だから大丈夫だと判断したNSW州の保健相はテレビのインタビューで謝罪を行い、その判断ミスを刑事告発する動きもある。

 

横浜のダイアモンドプリンセスでは船内に閉じ込めて感染者を増やしたことが今や昔のようになっていて、その事実を振り返る人もいないかも知れないがその事例がネックとなりルビー・プリンセスの検査なし下船につながったのだろう。グズグズしていると船内で感染が拡大してしまうという恐怖である。

 

それにしても2月にあれだけダイアモンドプリンセスで大騒ぎになったにも関わらずに、それでもクルーズ船に乗るという人々の神経がどうにも理解できない。