Aリーグはもちろんのこと、下部リーグというべき州リーグのクラブから草の根クラブにいたるまでオーストラリアではすべてのフットボールクラブが活動を休止している。３月１８日にFFA（オーストラリア・フットボール協会）が５月３１日までのすべてのクラブの活動中止を決定したからである。
AリーグにはJリーグのような下部リーグがないが、州リーグがある。ただし州リーグで優勝してもAリーグへの昇格はない。そもそも財政基盤がしっかりとしたプロのクラブが少ないからで、サッカーの基盤が小さいとも言える。
シドニーのライカートという都心部から車で２０分くらいの郊外にAPIAライカートFCというセミアマチュアのクラブがある。NSW州リーグに男子と女子のチームが加盟していて、アマチュアクラブの中では大きいほうだ。ライカートはイタリア系が多い地域で、イタリア料理店なども多い。
ここは練習グランドを自前で持っているので、固定経費は少ない方。しかし収入のほとんどをスポンサー収入に頼っていて活動中止の現在ではそのスポンサーが離れる傾向が出ているそうだ。３月から５月の３か月の活動中止期間の赤字は２５万ドル（１８００万円ていど）の赤字が予想される。これは運営しているアカデミーからの収入が途絶えるからでもある。
５月末までの活動中止がさらに延長されれば、破産するローカルクラブが続出することが予想される。多分日本も似たような事例が多いのだろう。