ら族の歳時記

「道が分かれていても人は幸せになる道を選ぶ能力がある。」
能力を信じ、心の安らぎの場を求めて、一歩一歩。

立哨

2005-10-21 23:57:35 | 仕事のこと
立哨
なんと読むかどういう意味か知っていますか?

りっしょうと読む。
意味は、「歩哨(ほしよう)などが、その位置を動かずに監視・警戒にあたること。」
では、歩哨とは「軍隊で、警戒・監視などの任務につく兵士。哨兵。」である。
しかし、ふつうの辞書では載ってなく、
広辞苑や大辞林で載っている。
軍隊ときけば、死語の世界と思いきや
意味をゆがめて現在でも存在する。。


私の会社では「立哨」は避けて通れないイベントである。
交通事故を起こすと、所属する課員全員で、朝、正門にならび「立哨」する。
連帯責任と「課員全員の交通安全意識を高める」という目的で。
だから、本来の意味とかけ離れている。
実際は「見せしめの刑」と呼ばれている。
でも、これは私の会社だけでなく、他社でもしている。
あちらは全員会社の任意保険に加入することになっていて、
保険を使うと保険会社から会社にたれこみされてばれて、
立哨というかなり厳しいしくみになっている。
その点、うちの会社は自己申告だから交通事故を
隠滅することも不可能ではない。

しかし、この立哨も「人権侵害」ということで、
交通事故をしても連帯責任の立哨はなくなった。


それが、また意味と主旨を替えて始まった。
当番表に基づき、立哨をするのだ。
「交通事故撲滅運動として、社員全員で立哨することにより
交通安全意識を高めよう」という主旨で。
全員がやる。決して見せしめでない。
(でも、勤務時間前にする場合、当番表があるから、
時間外手当てをつけるべきだという意見がでる。。)

ほかにも「あいさつ月間」とかいろいろなテーマの
「意識を高める」ことを目的に行われる。

私も参加させていただいた。
日陰だったし、透析日の昼食後だったので、
なんとか30分のお勤めをすることができた。
非透析日の朝だったら、即倒れていただろう。


こんなことで「意識が高まる」かは不明である。
まだ、見せしめの刑の方が「ああなりたくない。」と
思うからこそ意識が高まる。

そして、自発的に交通事故立哨が始まった。
今度は、
「社員全員の交通安全意識を高める呼びかけのため」
という目的で行われるようになった。

今日は事故の当事者はおらず、課長係長のふたりだけでプラカードを
もってながながと正門前で立哨していた。
「上司の指導不足」の反省の念で。。

たかが、プライベートの事故でも「上司の指導不足」「連帯責任」を
問われる。
加害人身事故でも起こしたら、会社にいられなくなる。

立哨はたしかに、反省態度をみせるにはいいかもしれないが、
本来の意味とかけ離れて存在している。

コメント (2)
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