山本飛鳥の“頑張れコリドラス!”

とりあえず、いろんなことにチャレンジしたいと思います。

Genesis感想

2015-04-05 23:37:10 | 音楽
riceの4月1日発売アルバム「Genesis」は、新曲や、以前の曲の別のアレンジバージョンなどを含む11曲が収録されているとのことで、どんなものかなと、とても楽しみだった。

まず、1曲目は、聴いたことのある出だしだと思ったら、「零-しずく-」の最後に入っていた歌のない「Air」という曲をバックに、有紀さんの気持ちを綴った、女声のナレーションが始まった。本で言ったら「前書き」「序」っていうところ。どういう気持ちで生きてきて、どういう気持ちでこの作品が作られたのか、感じることができる。

そして、最初の歌は「Fake star」。これは、raphaelの頃から有紀さんが作っていた曲で、riceの始めのころから演奏されているらしいけど、音源化したのは2012年だそうだ。ロックでかっこいいが、それだけではない。「あの頃の僕たちが築き上げた」という歌詞の部分が印象的。これまでの出来事やそれを乗り越えてきたこと、そして、哀愁を秘めている。消えずに続く音楽への情熱。私はyou tubeで何度も映像を見ているので、定番という気がする。ゆるぎない作品だと思う。DVDもついていて嬉しかった。You tubeで見るより色も映像もきれいだ。この曲を1曲目に持ってきたのは当然だと思う。

次の「Gleam」は、BeatのCMに流れている曲だ。グリムという題名は会話の中で聴いたことがあったが、この曲がそれだとは知らなかった。ハイテンポで楽しく元気な曲である。

4曲目は「Plasma」。これは驚いた。すごい。なんと表現したらいいんだろうか。
衝撃的だ。妖艶でかっこいい。いたいいたい「居たい」と「痛い」、大嫌い…大好き
言葉の矛盾、気持ちの矛盾、どうかなっちゃってるほどの気持。裏声もたまらない。有紀さんにだけしか歌えない。

こういう感じの曲は、「零―しずくー」には無かった。Riceの歌は、ただの歌謡曲のようになってしまったのかとも思いかねそうな歌が多かったが、ロックの真髄を失っていないということを証明してくれている。

5曲目「Kagome」は、「Plasma」が終わったのがわからないくらい、続けて演奏されている。すごく激しくハードな感じ。力強く歌いだされ、魂の叫びのようだ。Riceは、やっぱりロックバンドだ。Raphaelの頃のボーカルを思い出す。
後半では、曲の雰囲気も変わり、柔らかいソプラノの声質に変わる。これが、同じ人の声なのだからすごい。最後に「籠目籠目」が繰り返されるところはちょっと不気味でもある。

6曲目、「Scape[goat]」。
前のハードで激しい曲から、うって変わって、穏やかで暖かく優しくかわいい曲が始まる。まさしく癒しだ。人の辛さや悲しみを知っている人だ。だから、こんなに優しいんだろう。何度聴いても涙が出てきてしまう。
印象に残る歌詞、 『「死にたい」の忘れ方覚えていますか ・・・』
『好きで好きで好きで 居たいだけで 』  この裏声部分たまらない
低音はあたたく、高音はやわらかく。

一般に世間には、暖かいだけの歌や、優しいだけの歌、楽しいだけの歌ならばよくある。
有紀さんの歌は、それだけではない。人のもつ弱さ、儚さ、危うさをいつもしっかりと受け止めているのだと感じる。

7曲目。「to you -Gospel ver.」
以前のto youのアレンジを変えたものだが、「ゴスペルバージョン」とはいったいどういうものかと思っていたら、おお~っと驚いた。あっぱれというか、すばらしい。
こうなるのか!!! とても良い。かっこいい。人の声だけのハーモニーって、こんなに引き立つものなのだ。Riceの音楽のジャンルは、ほんとうに広い範囲で驚いてしまう。

8曲目。「Tera」
世界を広く見渡すような、健康的な曲。さわやかな気分になれる。
ポジティブに生きていこうという気持ちになる。おだやかで雄大な感じ。

9曲目。「Never」語るように始まる。アップテンポ、軽快な曲。
「悪戯に~~~」の裏声がたまらない。
「この声が枯れる日まで 死ぬまで歌うんだろう」
聴いていて、そう、有紀さんは歌うために生まれて来たんだと思う、死ぬまで歌ってください、と 泣きそうになってしまう。
「悪戯に輝く空を 仰げば華弦の月」
聴いていたとき「下弦の月」だと思ってたけど歌詞をみたら「華弦」だった。華月さんを連想する。残された人は、亡くなった人の分まで歩んでいかないといけない。
いろんなものを背負って、そして、才能がある人は、凡人以上に苦しむことがあるんだろう。他の誰にも作れない歌を作り、他の誰にも歌えない声で歌うのが、その人の定め。
有紀さんは、そういう覚悟を決めている。

10曲目。「Asterisk」
映画の最後に字幕に流れるような感じの落ち着いた穏やかな曲。総集編のような感じ。
最後のほうに、
「消えないでそう願うほどに ずっといたいよ~」は「星に願いを」のフレーズなので笑ってしまった。最後の「らら~ら らら らら~ら らら」もそうだ。
新しいものや、古いものや、いろんな詩やメロディーが湧いてくるんだろう。

11曲目。「STAY」
以前のものを別のアレンジにしたもの。これも、こんなふうになるのかと驚いた。(私が知ってたのはyou tubeのアコースティックバージョン)
同じ曲でも、アレンジによっていろいろに雰囲気を変える。
軽快に活動的に声が伸びる。
「歩き出したあの日の衝動 忘れかけていた何かを動かした」
「いつまでもどこまでも歩こう」
「いつまでも 幾度でも叫ぼう ここに存在することが喜びとなれるのなら I STAY…」
これからも、音楽活動を続けて、生きていくよ、という強いメッセージだった。

11曲の配置や、曲と曲とのつながりなどにも配慮(アレンジに共通性を持たせる等)して、全体が一つのまとまった構成になっている。たとえば、レストランのコース料理に喩えると、定番の料理や、同じ素材を使っても別の味付けや盛りつけにしたもの、新作料理などをまじえて、その時々によって、いくつかの料理で最高のコース料理を構成する。音楽も同じかもしれない。
何を伝えたいのか、全体を考えたところに、それにふさわしい曲を持ってくるのだ。アルバムというのは、単に曲を並べるのではなく、そういう作り方をするもんだということを初めて知った。
そして、人から作ってもらった歌を歌うのではなく、自ら創作できるからこそ、こういうことができるんだろう。
ライブなんかは、当然そういうふうに構成されているとは思うけど、CDもそれができるんだね。音楽は、積極的なメッセージだということを感じた。

・・・・・・・・・・・・・・・・

この週末は、Genesisが聴けて、有意義な時間がすごせました。
明日から、私も頑張らなくっちゃ。
自分の場所で、自分にできることを、しっかりやって行こうと思います。


コメントを投稿