股間の解放記

普通の社会人PEKOの、日々思うことをつづっていきます。

望み

2020年09月30日 17時10分18秒 | 映画評論ナ行

製作年:2020年
製作国:日本
日本公開:2020年10月9日
監督:堤幸彦
出演:堤真一,石田ゆり子,岡田健史,清原果耶,加藤雅也,市毛良枝,松田翔太
映画『望み』公式サイト

一級建築士として活躍する石川一登(堤真一)は、誰もがうらやむような裕福な生活を送っていたが、高校生の息子が無断外泊したまま帰ってこなくなってしまう。その行方を捜すうちに、彼が同級生の殺人事件に関わっていたのではないかという疑いが浮上してくる。たとえ被害者であろうとも息子の無実を信じたい一登、犯人であっても生きていてほしいと願う妻の貴代美(石田ゆり子)。二人の思いが交錯する中、事態は思わぬ方向へと突き進んでいく。
「クローズド・ノート」「検察側の罪人」などで知られる雫井脩介の小説を原作にしたサスペンスドラマ。幸せな生活を送っていたはずの夫婦が、息子が同級生の殺人事件への関与が疑われたことで窮地に立たされていく。メガホンを取るのは『十二人の死にたい子どもたち』などの堤幸彦。『孤高のメス』などの堤真一と『マチネの終わりに』などの石田ゆり子が主演を務める。脚本を手掛けるのは、『グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~』などの奥寺佐渡子。

Filmarksさんの試写会にて鑑賞。家族4人で幸せな生活を送っていたはずが、息子が殺人事件に関与している疑惑な浮上したことで亀裂が入っていく…。とても重たい映画、そして考えさせられる映画でした。愛する息子を“信じたい”気持ちと“疑ってしまう”気持ち。どれだけの幸せを築いたとしても、ある日突然に加害者にも被害者にもなってしまう世の中。誰にでも起こりえるからこそ、観ているこちらまで苦しくなりました。被害者でもいいから無実であってほしいという父親と妹の望み。加害者でもいいから生きて帰ってきてほしいという母親の望み。どちらを望んでも地獄が待っている。幸せな日々を送っていたはずの家族なのに、溝が深くなっていく。自分ならどちらを選ぶのか…どちらの想いも理解できるからこそ答えは出ません。家族であっても知らない事もたくさんあるだな…結果的には息子の優しさが招いた悲劇。そして息子のおかげで家族が救われたという母親の言葉がとても切なかったです。
加害者か被害者かも決まっていないのに、勝手な推測だけで決めつけるマスコミやSNSの投稿も、現代社会ならではだろう。噂話が一人歩きして、それが真実のように認識されてしまう社会の闇がこの映画を観るとよく分かります。誰が犯人なのかをドキドキワクワクしながら観ていましたが、真相は予想通りで意外性に少々欠けてたかなと思います。でも結末が分かっただけでもスッキリしました。ミステリー要素をもっと濃くしてくれれば、さらに楽しめたかもしれない。息子がいる親世代が見たら泣いちゃいそう。
キャストの皆さん本当に演技が上手かったですが、特に印象的だったのは母親役の石田ゆり子。困惑する表情や、発狂してしまいそうな表情が見事でした!

この作品の評価・・・・★★★★★★☆☆☆☆(満点は★10)
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