パピとママ映画のblog

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ストーリー・オブ・マイライフ★★★・8

2020年07月01日 | アクション映画ーサ行

          

「レディ・バード」のグレタ・ガーウィグ監督とシアーシャ・ローナンが再タッグを組み、ルイザ・メイ・オルコットの名作小説「若草物語」を新たな視点で映画化。ローリーを「君の名前で僕を呼んで」のティモシー・シャラメ、長女メグを「美女と野獣」のエマ・ワトソン、末っ子エイミーを「ミッドサマー」のフローレンス・ピュー、4姉妹の母をローラ・ダーン、伯母をメリル・ストリープが演じるなど豪華キャストが集結。第92回アカデミー賞では作品賞はじめ計6部門でノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞した。

あらすじ:南北戦争時代に力強く生きるマーチ家の4姉妹が織りなす物語を、作家志望の次女ジョーを主人公にみずみずしいタッチで描く。しっかり者の長女メグ、活発で信念を曲げない次女ジョー、内気で繊細な三女ベス、人懐っこく頑固な末っ子エイミー。女性が表現者として成功することが難しい時代に、ジョーは作家になる夢を一途に追い続けていた。性別によって決められてしまう人生を乗り越えようと、思いを寄せる隣家の青年ローリーからのプロポーズにも応じず、自分が信じる道を突き進むジョーだったが……。

<感想>時代を超えて愛され続け、これまで何度も映像化されているルイザ・メイ・オルコットの代表作「若草物語」。南北船倉時代を背景にした四姉妹の成長のドラマが、ここでは確固とした欲求を持った、自身の生き方を模索する女性たちとして描かれている。父親の従軍により貧しい生活を強いられながらも、助け合い、前向きに生きてきたマーチ家の四姉妹。性格も個性も異なる彼女たちは、それぞれの道を歩み始めた矢先、ある悲しい出来事と直面することに。

見どころは多いのですが、まずは、何と言っても超豪華キャスト共演でしょう。心優しい長女のメグを演じているのがエマ・ワトソンで、幼い双子の姉妹を育てる母親であり、教師の夫を持つ貧乏な生活。パーティへ行きたいが、着ていくドレスがないと嘆く。友人が自分が持っているピンク色のドレスを貸してあげるのだが、そこまでして子持ちの母親がパーティに行きたいのかと、不思議に思った。

でも愛する人に添い遂げることを願う長女メグ。小説家になり自立することを一心に目指す次女のジョーには、シアーシャ・ローナンが。病弱だが繊細な感性と芯の強さを持った三女のベス、そして画家を目指しながらももっとも現実主義的な末っ子エイミーには「ミッドサマー」のフローレンス・ピューが。

彼女エイミーと恋仲になり結婚するお相手には、ティモシー・シャラメが演じていて、はじめはジョーに夢中になり結婚を申し込むも、ですが、小説家を希望するジョーにふられてしまう。

ティモシー・シャラメの家は、お隣の屋敷でお金持ちであり、四人姉妹の誰が嫁ぐのかも、物語の軸となっている。

四人四様のキャラクターがそれぞれに引き立っているのは、脚色も自ら手掛けたグレタ・ガーウィグが映画化。大人へと成長する少女たちの軌跡を振り返り、その心模様を丁寧に描いている。運命を自分で切り開く女性像を見つめたドラマは、現代の女性にもしっかりと響いている。グレタ・ガーウィグ監督の繊細な演出はもちろんのこと、若き実力派女優陣のはつらつとした演技も見ものです。

そのなかでも強力なのはやはり、シアーシャ・ローナン扮する物語の主軸、ジョーだ。負けん気が強く、お転婆でエネルギッシュ。ガーウィグの前作「レディ・バード」に続くコラボレーションとなったローナンは、まるで水を得た魚のように生き生きとスクリーンの中で躍動する。彼女がロングスカートをたくしあげてニューヨークの街を疾走するシーンは、この時代の女性たちへの社会的圧力を蹴散らすかのような爽快感に満ちている。

原作小説は四姉妹から大人になるまでを描いており、これまで多くの映画化でも時系列順に物語が描かれてきたが、今回は人生の転機を迎えた彼女たちが過去を回想。体の弱い三女べスが待つ故郷に帰ってきた次女のジョーを中心に、四姉妹が歩んできた道のりを振り返る。医者を呼ぶお金もなく、困った家族は、ジョーが自分の長い髪の毛を売ってお金を作ってくるのには驚いた。

伯母様役ではメリル・ストリープが華麗で、大金持ちの役回りであり、結婚は金持ちに嫁ぐべしと断固として四姉妹に苦言する。お気に入りの四女エイミーが画家志望なのだが、結婚するなら金持ちに嫁ぐべしといわれ反発するも、結局はお隣の金持ちティモシー・シャラメと結婚することになるとは。

この当時に女性として小説家になるためにニューヨークへに渡り、相部屋で独立してお金を稼ぐことに頑張っているジョー役のシアーシャ・ローナンの、生き生きとした生き様に魅せられる。当時は、編集長からは恋愛ものや、ヒロインは金持ちと結婚するハッピーエンドものをと言われる。だからこそ、喜びや悲しみを経て、少女から大人への成長の後をはっきり伝える、味のある構成になっていたと思う。

本年度のアカデミー賞で「作品賞」を含め、脚色賞、 主演女優賞(シアーシャ・ローナン)、助演女優賞(フローレンス・ピュー)、作曲賞、衣装デザイン賞の主要6部門にノミネートされ、衣装デザイン賞を受賞しています。

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