パピとママ映画のblog

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振り子 ★★★

2015年03月27日 | は行の映画
世界的に人気のバンドMuseとのコラボでも話題になった、鉄拳の動画を基にした感動的な家族ドラマ。昭和から平成を時代背景に、経営する店の倒産や妻の病といったさまざまな苦難に向き合う夫妻の絆をつづる。中村獅童や小西真奈美が主人公夫妻を、彼らの学生時代を石田卓也と清水富美加が演じ、板尾創路、山本耕史、武田鉄矢ら多彩なキャストが共演。物語のモチーフとなる振り子時計の音や素朴で温かい登場人物たちの姿に、懐かしさがこみ上げる。
あらすじ:1976年、大介(石田卓也)とサキ(清水富美加)は出会った。それから時がたち、大介(中村獅童)とサキ(小西真奈美)は夢だったバイク店を経営していたが、店が倒産。間もなくサキが倒れてしまう。寝たきりになったサキに元気になってもらいたいと、大介は懸命に努力するが……。

<感想>ディズニーから依頼を受けるなど、パラパラ漫画家として広く名の知られる芸人の鉄拳さん。その代表作2012年に発表したパラパラ漫画を映画化したもの。大介の経営する店の倒産や、妻のサキの病といったさまざまな苦難に向き合う姿をつづる感動作。自身の実体験から生まれたというエピソードだそうです。

振り子が右と左で力を合わせて動き続け、それが夫婦みたいだ、というたとえもしっくりこないままで、振り子を揺らすのは重力の作用、下の方への力によるものじゃないのか。
だが、そう思えば途切れることなく、人間を下へ下へ、不幸へと引き続ける力を、揺れることでいなして動力を変えていくのが、振り子で喩えられ人間の生活かと、そんな気もした。
しかし、この物語では夫婦は時計の振り子と同じで、時を刻むには両方の力を合わせて振らないといけないということが、共同作業だという言葉が何度も出てくるので、夫婦関係と上手くリンクしているようですね。

しかし、仕事で何度も失敗する夫と、ひたすら夫を信じている妻と、その繰り返しばかりだ。繰り返しという意味では、なるほど振り子と同じじゃないか。
終盤のトリックも、取って付けたよう。全体に作りが安っぽいのも気になる。夫婦役に、夫の大介役を中村獅童、妻のサキ役を小西真奈美が演じているのですが、いささか2人の演技も普通で、シンプルなパラパラ漫画ならば成立する内容でも、実写なら単なる年代記になってしまう。

古い風俗を描くことは、紋きり型の古めかしい見せ方に甘んじることではないのだから。夫をいつも励まし応援し続けるサキの姿は、本当に女の鑑であり、サキの大切さに気づかないのも正直観ているこちらはイライラさせられました。
「お金がなくたっていいじゃない。死ぬわけじゃあるまいし」というサキの台詞に、でも貧乏は辛いよ、心までくじけそうになるもの。

ベタなお涙頂戴的な映画にさせまいとする演出と、主演の中村獅童の演技で持っているようで、それにしても、よしもとの芸人絡みの映画に、毎度出てくる女性像を見る度に、演じる女優が気の毒になってくる。

随所に武田鉄矢、鈴木亮平、中尾明慶などたくさんの豪華キャストが出演しています。まぁ、中でもお父さん役の武田鉄矢と研ナオコは最高でした。
原作者である鉄拳がメイクなしで登場するところもあるそうで、私には気がつかなかったです。
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