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パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

そして友よ、静かに死ね ★★★

2012年11月15日 | アクション映画ーサ行
1970年代初頭のギャング、エドモン・ヴィダルの自叙伝『さくらんぼ、ひとつかみで』を基に、当時の事件とフィクションを織り交ぜて描く犯罪サスペンス。監督は、「あるいは裏切りという名の犬」のオリヴィエ・マルシャル。出演は、「この愛のために撃て」のジェラール・ランヴァン。第20回フランス映画祭出品作品。

あらすじ:伝説のギャングとして一時代を築いたエドモン・ヴィダル、通称モモン(ジェラール・ランヴァン)は還暦を迎え、かつての仲間や愛する妻ジャヌー(ヴァレリア・カヴァーリ)、息子、孫たちと静かに暮らし、昔の自分を忘れようとしていた。
しかし、心穏やかな日々を送っていたモモンの元に、かつて一緒に派手な強盗事件を繰り返した親友セルジュ(チェッキー・カリョ)が13年の逃亡の末、暴力団担当刑事ブロナー(パトリック・カタリフォ)に逮捕されたという知らせが届く。
実刑が確定すれば、死ぬまで刑務所暮らしはまぬがれない。モモンは妻との約束を守るため自業自得だと言い放つが、子供時代のセルジュの顔が脳裏に浮かぶ。モモンはロマというジプシー出身でいじめられていたが、それを助けたのがセルジュだった。
1964年、2人は遊び半分でさくらんぼを盗み、一緒に半年の禁固刑になった。モモンは苦悩するが、長年の親友を救う決意する。彼は再び危険な道に足を踏み入れ、衝撃の過去が明らかになっていく。 (作品資料より)

<感想>1970年代に“リヨンの男たち”として名をはせた実在のギャング、エドモン・ヴィダルの半生を描いた実録ギャング映画。『あるいは裏切りという名の犬』で警察組織内部の闇を暴き、フレンチ・フィルムノワールを復活させたオリヴィエ・マルシャル監督が、ヴィダル本人と立会いの元に映像化した燻し銀のような逸品です。
ヴィダルを演じるのは「この愛のために撃て」(10)の悪徳刑事役で強烈な存在感を見せたジェラール・ランヴァン。そしてセルジュを演じるのは国際スターとして活躍中のチェッキー・カリョ。「男の顔は履歴書」という映画があったが、本作に登場する俳優たちの顔が全員筋者のいい顔をした男たちばかりで、そんな彼らと若き血気盛んだったころの彼らがカットバックする構成が心憎いいと思った。
「落とし前に時効はねぇ」というギャングならではの、筋を通したラストにも感動の涙だが、その前に見せるヴィダルのカードを使った必殺シーンの恰好よさに痺れること請け合いですね。
渋いおとこにはいい女が付き物だが、極道の妻や極道の娘の凛とした佇まいも絶妙にこの映画を引き締めていると感じた。実在のギャングの激動の半生と、男の熱き友情を描いている、まるで任侠映画です。
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