パピとママ映画のblog

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ミスミソウ★★★・5

2018年04月28日 | アクション映画ーマ行

「ハイスコアガール」「でろでろ」などで知られる押切蓮介の人気サスペンスコミックを、「ライチ☆光クラブ」の内藤瑛亮監督のメガホンにより実写映画化。主人公の春花役を本作が初主演となる「咲 Saki」の山田杏奈が演じる。

あらすじ:東京から田舎に転校してきた主人公・野咲春花(山田杏奈)は”部外者”として扱われ、壮絶なイジメを受けていた。春花の唯一の味方は、同じように転校してきたクラスメイトの相場晄(清水尋也)。

彼を心の支えに必死に耐えてきた春花だが、クラスの女王的存在、小黒妙子(大谷凜香)の取り巻きのイジメグループによる嫌がらせは日に日に工スカレートしていった。そして、ある日、激しく燃え上がる炎が春花の家を覆い尽くす。

春花の妹・祥子は大火傷を負いながらも助かったが、両親は命を落としてしまった。思いもよらない悲劇に遭遇した春花の心は、崩壊する──。やがて事件の真相が露見することを恐れたイジメっ子達は春花に自殺するよう強要するが、それがきっかけとなって春花は事件の真相を知り、家族を奪ったイジメっ子達に己の命を賭けた凄惨な復讐を開始するのだが…。厳しい冬を耐え抜いた後に雪を割るようにして咲く花、三角草(ミスミソウ)。春花はミスミソウのように厳しい冬を耐えて、きれいな花を咲かせることができるのか…。春花が選んだ道とは…。

<感想>壮絶ないじめを受け、心が崩壊していく少女という難役に挑んだ山田杏奈の演技が秀悦である。人をいたぶることと、残酷にこだわってここまでやれているこの監督は、本当に他にない個性だと思う。古典的なリベンジものの映像と、いじめつくされ家族も殺された主人公が、ついにいじめっ子の目玉を突き刺す時、観ていて残酷だなんて思わずしみじみと良かったと感じてしまった。軽いノリの中学3年生女子グループと、そのグループの悪ふざけで家族を失った少女の壮絶なる復讐劇でもある。

「せき止められない憎しみに少女の心は崩壊する」という言葉を合図に、復讐の幕が上がる。春花が凶器を振りかざす度、いじめグループの悲鳴が響き渡り、白い雪が血に染まる。終盤には血まみれになった春花が、天を仰ぐ姿が映し出され、その眼差(まなざ)しからは悲壮感が漂う。場面写真は、泥まみれの春花、武器を手にする対決シーンなどを切り取っており、キャストの熱演を垣間見ることができる。

上記に書かれているように、とても残酷でグロテスクで、トンデモな女子中学生と男子中学生の心の闇を表しているような、そんな悲惨なシーンが多かったです。

最も印象に残りやすい残酷表現は、除雪車から血肉がまき散らされるシーンではないでしょうか。真っ白い雪に鮮血が噴水のように飛び散るシーン、これって、ホラー映画ではないかとさえ思ってしまった。それに、女子高生たちが、主人公春花の家に行き、灯油をまいてマッチで火を付け、目の前で灯油を浴びた母親が火にくるまり焼き殺されるシーンとか、座敷には父親は下の妹を抱え込んで自分が上になって焼け死ぬところとか。それを笑いながら見ている女子高生たちに、それを写真に撮っている相場晄の鬼となった表情とか。

かなり押切氏のコミックの中で描かれているような、多感な時期の少年少女たちが抱える、友情、嫉妬、罪の意識といった感情を生々しくも、繊細に描き出しているのも大きな特徴であります。やはり、残酷な描写を交えて人間の心を描き続けてきた内藤監督が実写化したのは、必然だったのではないかとも。

特に観客の中には、女子高生たちが多く観ているので、私には母親として見ている心情であり、いくらコミックを映像化したとはいえ、ここまで嫌がらせというか、度を超した虐めは初めて観ました。

だから、ラストで一人だけ生きている茶髪の女子高生に、何故にあんただけが生きているのか、確かに始めは主人公とは仲良しだったのだが、その後ではクラスで虐めの親分だったのに、自分だけは素知らぬ顔をして東京行きのバスに乗るのかと。どうせならみんな死んでしまえば、観ていてすっきりしただろにと、映画を観てこのような感情を覚えたのは私だけだろうか。

廃校寸前の中学校、枯れ木の森、雪の積もる大地という設定や状況なども含めて、逃げ場のない密室感をビジュアル的に煽り、演じている若い俳優さんたちの本気度もハンパじゃなかった。

背景にちらっと無責任で一方的な大人たち(クラスの担任の女教師)を置いてはいるが、娯楽映画としては限界ギリギリであり、どうしても不快感の方が強かったです。でも、考えてみれば今の日本のいじめの現実の方がもっと不快かも、深くて陰湿かもですね。

 

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