パピとママ映画のblog

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私は王である  ★★

2013年05月23日 | わ行の映画
韓国の歴史上もっとも偉大な王といわれる世宗大王が王位に就くまでの秘話を描く歴史ドラマで、二年の兵役から戻ったチュ・ジフン「アンティーク」が二役に挑戦している。共演は「ヨンガシ/変種増殖」のイ・ハニ、イム・ウォニ他ほか。監督は『先生、キム・ボンドゥ』『ラブリー・ライバル』のチャン・ギュソンで、初の時代劇となる。
あらすじ:十五世紀初頭の朝鮮、国王大宗は長男の度重なる問題行為を身かね、三男のチュンニョンを王位後継者指名する。だが、彼は博識ではあるが何事も人任せの温室育ちで、王になるきはなかった。
チュンニョンはある夜密かに逃亡しようとし、王宮を逃げ出した途端に若い男とぶつかってしまう。気を失ったその男ドクチルと着物を取り替えて、チュンニョンは夜の町へと消えてゆく。
チュンニョンを捜す護衛のヘグとファングは、ドクチルを応じだと勘違いするが、すぐに偽物だと気づき、ヘグは町へ王子を探しに、ファングは宮廷でドクチルの世話をすることになった。
世間知らずだったチュンニョンは、様々な民に出会い、政府の圧政や悪徳貴族の横暴にふれ、次第に王としての責務に目覚めていく。一方、ドクチルもまたかつての雇い主の娘スヨンが、中国への貢ぎ物になるところを助けたりするうち、即位式の日が近づいてくる。

<感想>史実の中で空白となっている王位継承から即位までの3か月間を描く歴史ドラマである。だが、先日公開になった、イ・ビョンホン主演の「王になった男」と同じような物語。あちらは替え玉という内容だったが、下層の者が良く似た王にすり替わる内容は同じなのでちょっと間延びした。

イ・ビョンホンに比べてといってはなんだが、笑いも子供っぽいし、偽王子を扱った映画が先に上映されているので、幼稚なコメディ要素を強めた本作は、残念ながら映画としての雅がない。テレビドラマのドタバタが見合う場面がきりもなく立て続きに、チュ・ジフンも異なる衣装で一人二役に見せているだけで演技力に欠けている。

さすがにイ・ビョンホンの演技力から異なる王と芸人の演じ分けを見てしまうと、これは貫録負けですね。豪華な衣装やセットは鮮やかだが、主人公たちの後先を考えない行動は、物語の上の配分が悪いし、道草をくい、調子外れなギャグも目立って鼻につく。

取り得と言えば、当時の朝鮮が中国の奴隷のようになっていたことがよく分かることぐらいですね。偉大な国王が改革する前の、封建的悪徳が許されていた時代の、愚かな貴族たちの暴力をネタにしたドタバタ喜劇。
この時代にこんな物があったらいいなぁ~というふでぺんなるもの。墨が竹の筒の中に入っていて押すと出て来るアイデア。大砲もイギリスやフランス輸入じゃなくて工夫して作った大砲は、コメディ要素抜群で、とんでもないところへと飛んできます。

現代が舞台でも韓国映画はやはり、階級の主題が好まれるけれども、だからこそ下ネタも含むトイレのギャグは同じだ。王に入れ替わった男が、お付の女性にお尻を拭いてもらって、複雑な表情を浮かべる話。それに下層階級に落ちた王子が、トイレをする時、いつもお付の者にお尻を拭いてもらっていたので、外でも家来のヘグに頼むという情けなさ。
それでも、どの辺で入れ替わるのかのかなぁ~と思っていたら、どうってことはなく入れ替わってしまった。「王になった男」のような、お尻にアザがあるとか、絶対に王子と分かる認証が欲しかったのに。
それでも、貧しい民の暮らしを見て、国王たるもの民を飢え死にさせるわけにはいかないと、それに下層階級の者は文字を書けないし、読めないのだ。このことも、自分が無類の本好きなので、子供たちに読み書きを教える世の中にしようと心がける王子の顔が清々しい。
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