パピとママ映画のblog

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KUBO/クボ 二本の弦の秘密★★★★

2017年11月22日 | アクション映画ーカ行

 

『コララインとボタンの魔女 3D』などを手掛けたアニメーションスタジオのLAIKA制作によるストップモーションアニメ。日本を舞台に、魔法の三味線と折り紙を操る片目の少年が出自の秘密を探るべく、壮大な冒険を繰り広げる。監督は『パラノーマン ブライス・ホローの謎』などに携わってきたトラヴィス・ナイト。ボイスキャストにテレビシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」などのアート・パーキンソンをはじめ、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒーらが参加。人形を1コマずつ動かして作り上げた繊細な映像に注目。

あらすじ:クボは三味線を奏でることで折り紙を自由に操ることができるという、不思議な力を持つ少年。かつて闇の魔力を持つ祖父に狙われた際に父を亡くし、片目を奪われたクボは、最果ての地で母と生活していた。しかし、闇の刺客に母までも殺されてしまう。両親のあだ討ちを心に誓ったクボは、面倒見のいいサルと弓の名手であるクワガタを仲間にする。

<感想>中世の日本を舞台に描いたストップモーションアニメなのだが、まるで日本のアニメみたいなそんな感じがしてなりませんでした。主人公の少年クボが弾く三味線によって、少年が折り紙で織ったものがどんどん生きて自由に舞っていく魔法と、生活風景が巧みに絡み合う生き生きとした描写によって、観ている人たちはこの世界の虜になってしまう。

クボが折り紙で織った朱色の“ハンゾー“なる侍と、カブトムシのクワガタと木彫りのサルが生き返って、お供になって母親の父、祖父との対決のために旅をする物語。まるで桃太郎の鬼退治のようだ。

まずは三味線の音色は、津軽三味線の吉田兄弟が奏者で、とても映像にマッチしていて良かったことと、母親が来ている着物が十二単衣みたいな衣装に長い髪で、日本の折り紙とクボの持つ「3つの武器」の刀や兜に鎧、の力強さ、それに紅葉や葉っぱで作った船、お供のサルやクワガタのキャラクターの面白さまでが、日本のアニメ以上に良かったです。

村人の中のお婆ちゃんの声は、歌手の小林幸子さんが扮しているとのこと、クボを可愛がってくれる村人の一人で、クボが大道芸人という設定も楽しそうで、お婆さんの声が、そういわれなければ分からなかった。杉の並木道の奥に神社があり、日本の村の街並みや、お盆の灯篭流しの風景も幻想的で素晴らしくて、全部がコマ撮りアニメにより効果的でユーモラスに描かれ、感銘を受けました。

面白いのが、母親の妹たちが、能面をつけ闇の魔力を持つ爺様「月の帝」の刺客として現れ、鎖ガマを使い攻撃してくるし、お供のサルは、亡くなった母親の成り代わりみたいだし、クワガタの侍はまだ見ぬ父親のようにも感じましたね。

赤ん坊のクボが、母親の背中で小舟に揺られて、大波にまかれて岸へと流れ着く。洞窟の中で生活をして、幼い少年クボが大道芸人として働き、病気の母親の面倒を見ている姿がいじらしい。

そんな少年のクボがヒーローになっていくには、母親が爺様「月の帝」の刺客に殺され、父親の形見の3つの武具、「折れずの刀」「負けずの鎧」「敗れずの兜」を探して、祖父である「月の帝」と戦うところなんですが、祖父が生まれて間もない孫の片目を取り、それにもう片方も欲しいと襲って来る爺ちゃん。なんとも酷い爺ちゃんであります。

母親の形見の髪の毛と、父のロープ、それに自分の髪の毛を三味線に取り付けて、“ジャーン”と鳴らすショットもカッコよくて、この映画の中では三味線が印象的に使われています。

吹き替え版で観たので、字幕のキャスティングのクワガタの声のマシュー・マコノヒーや、シャーリーズ・セロンの母親の声も聞きたかったですね。

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