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パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ランナウェイ 逃亡者 ★★★.5

2013年10月08日 | アクション映画ーラ行
俳優や監督として、オスカー受賞作『普通の人々』など数々の名作に携わってきたが、「大いなる陰謀」以来5年ぶりに監督と主演を兼任して手がけた社会派サスペンス。
反体制活動を展開した実在の過激派組織を題材に、素性を隠して30年間暮らしてきた元幹部が、当時の仲間の逮捕によりFBIと記者から追われるさまを描く。若手記者を『トランスフォーマー』シリーズのシャイア・ラブーフが熱演するほか、スーザン・サランドン、リチャード・ジェンキンス、クリス・クーパーら豪華共演陣が物語を盛り上げる。
<感想>実際に1960年~70年代にアメリカで活動していた「ウェザーマン」と呼ばれるグループの実像をベースに書かれた小説の映画化作品で、監督・制作・主演をロバート・レッドフォードが務めている。
「大統領の陰謀」では政府の悪を暴く記者の役だった彼だが、今回はレッドフォードが逃亡者ジムを演じ、シャイア・ラブーフが演じる記者に追われる立場を熱演している。そのほか、昔の恋人役にジュリー・クリスティが、二人の間に生まれた娘が警察署長の娘になっているとは、そのからくりが詳細に明かされていないのが残念。

平凡な主婦だと思われていたシャロン(スーザン・サランドン)が、突然家を出てFBIに囲まれ逮捕されてしまう。彼女は30年間逃げ続けていた反政府活動家で、銀行強盗と守衛殺しの殺人の容疑で指名手配されていたのだ。
そしてこの事件の後、1年前に妻を事故で亡くし11歳の娘イザベルと二人で暮らす平凡な弁護士ジム(ロバート・レッドフォード)の周辺も騒がしくなる。
FBIの情報から彼に辿り着いた地方紙の記者ベンは、ジムの過去を探り始めるのだが、直後にジムは娘を連れて失踪する。ベンはFBIを出しぬきながらジムや周辺の人間を調査するが、当時の反政府活動家たちをめぐる秘密が次第に明らかになってく。しかし、その秘密は多くの人間の未来に関わるものだった。実は、ジム・グラントの本名はニック・スローン。シャロンらと銀行を襲って指名手配されていた“ウェザーマン”の幹部だった。

ニックは、弟のダン(クリス・クーパー)と連絡をとり娘のイザベルを預けると、包囲していたFBIの網をかいくぐり脱出する。ベンはそんな彼の行動に疑問を抱き、何故娘を残して逃げ回るのか、何か目的があるに違いないと。
わずかな手がかりを追って、ベンはニックの足取りをたどり、元の仲間のドナル(ニック・ノルディ)を訪ね、かつての恋人だったミミ(ジュリー・クリスティ)の消息を求めるニック。

だが、ドナルも知らず、今度はシカゴの大学で教鞭をとっているジェド(リチャード・ジェンキンス)に訪ねる。そこからミミと行動を共にしていたマックに辿り着くのだが、ミミはそこを離れた後だった。実は、未だに大麻や麻薬を密輸入する仕事にてを染めているミミ。警察に見つかるのは時間の問題なのだが、束の間のニックとの再会も昔の愛は冷めてしまったようだ。
一方、執拗にニックを追うベンは、かつての銀行襲撃事件を担当していた捜査官のオズボーンに会い、ニックの行動について推測を打ち明けるのだが、・・。
いきなりスーザン・サランドンが逮捕される謎めいたオープニングからして、ストーリーに引き寄せられます。90年代前半ぐらいのサスペンス映画を彷彿とさせるような、ゆったりとしたリズム感が心地いいですね。
それにしてもこの映画、出演者が豪華である。地方紙の編集長にスタンリー・トゥッチ、ニックの昔の活動仲間にニック・ノルディとさらにサム・エリオット、FBI捜査官にはテレンス・ハワード、元事件担当捜査官のオズボーンには、ブレンダン・グリーソンと、他にも名前が出てこないが、芸達者なベテラン役者が勢ぞろいした。

しかも、各人がピッタリと役を演じているので安心して観ていられる。これだけのキャストが集まるのはひとえにロバート・レッドフォードの人徳に他ならない。始めはスパイもの的な捜査サスペンスに展開するかと思わせて、最終的にはより普遍性のある家族の問題に収めているので、特に70年代のアメリカ史に詳しくなくても楽しめます。
しかし、全篇に渡って、老いたロバート・レッドフォードの良いとこ撮りです。かつては美貌を誇っていたレッドフォードだけに、“時の過ぎゆくままに“という歌がある通り、枯れた御大の晴れ姿というべきか。まだまだ、クリント・イーストウッドのように、いぶし銀の男にはなれないのだ。
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