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パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣 ★★★

2017年09月08日 | アクション映画ータ行
英国ロイヤル・バレエ団で名をはせるものの、数年で退団したバレエ界の異端児セルゲイ・ポルーニンを追ったドキュメンタリー。退団後に発表された「Take Me To Church」のミュージックビデオで再び注目を浴び、類いまれな才能を持て余す彼の知られざる素顔を、本人や家族、関係者のインタビューから解き明かす。『ピクシーズ/ラウド・クァイエット・ラウド』などのスティーヴン・カンターが監督を務める。

あらすじ:端正な容姿と圧倒的な表現力で、世界中にその名をとどろかせたセルゲイ・ポルーニン。その数年後、英国ロイヤル・バレエ団を退団した彼は第57回グラミー賞にノミネートされたホージアのヒット曲「Take Me To Church」のミュージックビデオ出演で再び脚光を浴びた。バレエ界随一の異端児にして、著名なバレエダンサーであるルドルフ・ヌレエフの再来とも評される彼の素顔に迫る。

<感想>セルゲイがなぜ英国ロイヤルバレエ団から脱退したのか?・・・本作のポルーニンは、規範や権威を順守できない天才であり、母国ウクライナからロンドンへ、モスクワと転々とするのか彼の宿命だった。
監督は家族や関係者にインタビューするが、いくら聞いても見えてこないという。バレエ界のしきたりが原因だったのか、ウクライナ出身ということが影を落としているのか、いや、家族が重荷じゃなかったのでは?・・・。

セルゲイ・ポルーニンという人は、きっとナチュラル・ボーン・ダンサーであり、どんなふうに育っていても、どこかできっとバレエに出会い、才能を伸ばしていたと思う。ウクライナでの家族と子供時代、英国ロイヤルバレエ学校に渡っての少年時代、脚光を浴びるが精神的なバランスを崩していく青年期から再生までを追うこのドキュメンタリーは、ダンサーとしての顔以上に、一人の若者の人間としての壮絶な模索をとらえているように感じた。

息子のためにひたすら献身し続ける母親と父親。その愛情の束縛。振り払えないしがらみ。セルゲイのおびただしい刺青は、そんな彼の痛みの刻印に見えてしまう。ということを想像するのも、肝心かなめを迂回したようなドキュメントなので、そう思いたくもなる。

しかし、バレエから惜別するラストダンスのはずだったYouTube動画での、「Take Me To Church」が、バレエから惜別するラストダンスのはずだった。それが、映画のクライマックスであるうちは、まだまだ断言する。

ブラック・サバスの「アイアンマン」が流れるオープニングでは、開演前の楽屋でセルゲイが、強壮剤や鎮痛剤を服用しているのも映し出されます。

刺青を全身にまとうバレエ界の異端児であり、誰もが認める才能がありながら、舞台のたびにメイクで刺青を消さなければならない。彼が、もがき、踊る、その生きざまが鮮烈な印象を残す。映画では詳しく説明されいませんが、彼が英ロイヤル・バレエ団を退団した理由について禁止事項の多さと薄給であることを挙げています。

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