パピとママ映画のblog

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超高速!参勤交代 ★★★★

2014年06月23日 | アクション映画ータ行
通常でも8日かかる参勤交代を5日で行うよう幕府から無理難題を押し付けられた小藩が、奇想天外な作戦の数々でピンチを切り抜けようとする時代劇。第37回城戸賞の入選作を、『鴨川ホルモー』などの本木克英監督が映画化した。資金も人数もない中、藩と領民を守るため奮闘する藩主には佐々木蔵之介、ヒロインを深田恭子が演じる。共演には伊原剛志、西村雅彦、陣内孝則ら実力派がそろう。
あらすじ:8代将軍・徳川吉宗の治世下、東北の小藩・湯長谷藩は幕府から突然、通常でも8日かかり、さらに莫大(ばくだい)な費用を要する参勤交代をわずか5日で行うよう命じられる。それは藩にある金山を狙う老中・松平信祝(陣内孝則)の謀略で、弱小貧乏藩には無茶苦茶な話だった。藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は困惑しつつも、知恵を絞って参勤交代を完遂させようと作戦を練る。

<感想>弱小貧乏藩、知恵と勇気でお上の難題に立ち向かう!・・・優れたオリジナル脚本を表彰する城戸賞で高評価を得たシナリオを、佐々木蔵之介の主演で映画化した歴史エンターテインメント。この時代にもあったであろう老中からの虐めのような、無理難題を押し付けられた地方の小さな藩が、奇策と工夫と団結力で乗り越えるさまを描いている。実に面白く滑稽で、しかし、真面目に対処しないと、小さな藩は御取り潰しになるというのだ。
何だか見ていて、舞台の東北、福島県いわきですよね、大震災に原発事故と地元から立ち退きを命じられ今まさに、お上に立てつくこともままならない事情にあるという、身につまされました。しかし、実にこの藩の殿様や家来たち、農民たちも清清しくていいのだ。
やっと参勤交代を終えてやれやれと、みんな休息をとっているところへ、再度の参勤が命じられる。それは、老中松平信祝の嫌がらせであり、百も承知だが断れないのだ。金も人も時間もない湯長谷藩は、殿様の内藤政醇と家老の相馬は早速、策を練るのだが、・・・。見栄と権力を象徴するようなバカバカしい儀式の大名行列には50人は必要だし、急な事態で半数も揃わない。

徳川幕府にとっては、江戸に妻や子供を住まわせて、地方には殿様と家来が帰るという。幕府が大名の力を削ぐために作った参勤交代という制度には、文句を言う藩主がいなかったのだろう。つまり、徳川幕府300年という戦のない安楽の歴史が刻まれるのだ。
家老の相馬に扮している西村雅彦さん、芸達者だけに家老の役柄にぴったりで、頭も切れるし笑いのコツを知っているかのように面白いのだ。コメディ映画のように、江戸までの距離を5日で行くにはと、下の道をかき集めた農民たちの大名行列に、自分たちは道案内として忍びの男を頼み、山越えをして何とか間に合わせようと計画する。

忍びの者には、伊原剛志さんが演じていて、田舎侍は実に甘いと旅の途中でとんずらするつもりだったが、殿様が懐中の紋入りの小刀をくれて「ありがとう」と礼をするのだ。それに、支払も古銭ばかりで使えない。

とにかく、老中松平信祝が仕向けた追っ手の忍びの者や、殺し屋たちが飛んでもなく襲ってきてアワヤという窮地も、忍びの伊原さんが救ってくれたり、とにかく家来たちの剣の腕や弓矢、それに猿までもが達者なので、襲ってくる敵もなんのそのですから。

殿さまは一人馬で宿場に訪れるも、指名手配書きが出回っており、宿の飯盛り女を呼ぶも、疲れをとるために足腰を揉んでもらう。その飯盛り女に深田恭子が扮して、何とここで二人は恋人関係になってしまうとは。

お尋ね者にされた殿様は、飯盛り女のお咲きと逃げ出す。それが、殿様強いのなんのと剣豪ですから。追手の忍びやら殺し屋なんか、バッタバッタと切り刻み、5日の時刻まで江戸へと急ぐのです。
途中助けられるのは、同じ小藩の位の上の藩で、以前飢饉で米や野菜などを援助したことがあるので、家老の相馬が途中検問を通らなければならないところを、行列を貸してもらうことに。それに、わざと大人数に見せるために、行ってはぐるりと回って引き返す計画にも、思わず笑いが込み上げます。それと、江戸から帰って来た大名行列にぶつかり、それを横切ることは出来ないのだ。機転が利く家老の相馬が、ふんどし姿の飛脚になってエッフォエッフォと行列を通り過ぎるのには、してやったり。そういう、決まり事も知らなかった。

何とか時刻に間に合うというか、鐘を弓矢で射って音を出すという仕組み。これで間に合って、御取り潰しがまぬがれて安堵するも、将軍吉宗に藩主・佐々木蔵之介が言う言葉も中々良かった。「山からは金は出てこない」と。将軍様、禄高を上げて下さいまし。実に面白く、腹を抱えて笑うシーンもあり、東北弁も良かった。
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