パピとママ映画のblog

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恋は雨上がりのように★★★★

2018年06月03日 | アクション映画ーカ行

ケガで陸上の夢を絶たれた女子高生が冴えない中年のファミレス店長への恋心を募らせていく眉月じゅんのヒット・コミックスを、「溺れるナイフ」の小松菜奈と「探偵はBARにいる」の大泉洋の主演で実写映画化した青春ラブストーリー。恋に真っ直ぐなヒロインと、その気持ちに戸惑う店長が織りなすぎこちなくも爽やかな片想いの行方を、それぞれの再生への道のりとともに繊細かつユーモラスに綴る。監督は「世界から猫が消えたなら」「帝一の國」の永井聡。

<感想>恋をしたのはおじさんでした。最近流行りの眉月じゅんによる同名マンガを実写化したもの。高校生の橘あきらが片思いをするのは、バイト先のファミレスの店長・近藤正己。20歳近く年の離れたあきらの想いに、近藤は戸惑い受け止められずにいる。「帝一の國」の永井聡監督が、本作の文学的で繊細な風合いを丁寧に描いている。

歳の差恋愛をテーマにした作品はこれまでにもたくさんありましたが、これほど爽やかなラストを迎えた作品は観たことがなかった。これはただのラブストーリーではなく、お互いの存在が人生そのものを変えるほどになった二人の心の交流の物語でもある。

ミステリアスを地でいく主人公の小松菜奈と、「うだつの上がらない男」を演じさせたら右に出る者はいないファミレス店長の大泉洋。原作キャラにハマリすぎの二人は、どんな化学反応を起こすのでしょうか?・・・。

物語の中で、期待の陸上部の選手でありながらアキレス腱のケガで陸上の夢を絶たれてしまった女子高生あきら。彼女は失意の中、ファミレスで雨宿りをしている時に、優しく声をかけてくれた店長の近藤、45歳に恋をしてしまった。

そのファミレスでバイトを始めて、一度は告白をして以降に、ストレートに好意を伝えるあきらに、必要以上に自分を冴えないおじさんだと思い込んでいる店長は、ただただ驚き、困惑するばかりでした。

しかしあきらの自分への真っ直ぐな姿勢や、密かに持ち続けている陸上部への想い。それを後押ししようとする、同じく真っ直ぐ過ぎるくらい、周囲の姿に影響されている店長もまた、行き場を失っていた自分自身の夢と向き合い始めるのであった。

その人は、どしゃぶりの心に傘をさしかけてくれた。夢を失った17歳、夢を忘れた45歳。ふたり、人生の雨宿り中で――という文学的な旋律の中で、何となくこういう関係ってあるんじゃない、と思った。

主人公のあきらの行動には理解できない部分もありました。だって、雨の中突然店長に告白するシーン。何で店長を好きになってしまったのだろう。と考えた時に、若い人ってやっぱ理屈じゃないなと、思ったんですね。無神経で無鉄砲で、でも生命力にあふれていて、そんな若さというものがひたすらキラキラと映し出される。

あきらは、両親が離婚をして母親と暮らしている。仕事で疲れて帰って来る母親には甘えられない。父親像として何気ない店長の優しさとか、仕草などに惚れてしまったのではないか。

そして、父親とも言うべき店長の大泉洋は、バツイチで小学生の息子がいて月一で会っている。突然愛の告白を受けて戸惑うのだが、一方的に好意を持たれて、あきらの感情を素直に受け止め、それに自分は父親くらい年の離れた大人なんだからと、彼女を見守って勇気づけたりするのだが、近藤正己自身も変わりたいという気持ちがあり、一歩前に進みたいと思っている。あきらだけでなく、じつは近藤の成長も描かれているのが面白くもありました。

小説を書いており、大学の同級生のちひろに友人の戸次重幸さんが扮していて、今や売れっ子の小説家と言う設定。羨ましくもあり自分も小説家として成功したいと思っている。

やはり一番素敵と思ったシーンは、あきらの小松菜奈の陸上競技場で走るシーンですかね。本当に走るのが大好きというような感じが全身から滲み出ていました。それに、バイト先の店長にぐいぐいと惹かれて行き、「私、店長のこともっと知りたいんです」という余りにも真っ直ぐなあきらの言葉に、店長の大泉洋の困惑気味で心がざわつく表現も見事でした。

大嵐の日に店長が風邪で熱が出て休んでいるアパートに来て、タクシーを呼んで帰るあきらを見送る近藤の慌てふためく顔、予告でも傘が朝顔になって吹っ飛ばされたシーンも、つい笑ってしまう。

ファミレスには、厨房に働いているあきらと同じ年頃の男子がいる。彼女に恋心を持ち、まさか店長に恋しているとは思っていないのだ。

あきらは、何度も、学校の陸上部から戻ってきてと催促を受けていたのに、走ることに臆病になりバイトをして走ることを忘れようとしていたのだ。

途中で、あきらがバイトをしているファミレスへ来る陸上部のエースが、店長に言いに来る。もう一度あきらを陸上部へ戻してくださいと。バイトのシフトをたくさん入れているあきらに、とうとう店長は、バイトはいいから自分の進めべく道を究めるようにと言う。

ラストでは、あきらがやっと自分の進めべき道を見つけて、また陸上部へと戻っていく。あきらの走る姿が爽やかに映る。スタイル抜群の小松菜奈が素敵でした。

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