パピとママ映画のblog

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ナイル殺人事件★★・6

2022年08月16日 | アクション映画ーナ行

        

ミステリの女王アガサクリスティによる「ナイルに死す」を原作に、映画版、ドラマシリーズに続いて3回目の実写化。ケネスブラナーが「オリエント急行殺人事件」(2017)に引き続き、監督、主演ポアロ役を再び担当。豪華客船の中で起きる殺人事件を解決すべく奮闘する探偵と、愛の物語を描く。
あらすじ:大富豪の娘リネットが結婚し、その新婚旅行としてナイル川をめぐる豪華客船での旅が行われれることに。集まっていた夫婦の友人知人と、そして探偵のポアロが同行することになるが、途中から夫の元彼女のジャッキーが乗り合わせる。友達に恋人をとられたことで二人に恨みを抱える彼女に不安を覚える一同。しかもそこでリネットが殺される事件が起きる。
ガル・ガドット、アーミー・ハマー、エマ・マッキー(英語版)、トム・ベイトマン、レティーシャ・ライト、アネット・ベニング

<感想>ミステリーの女王、アガサ・クリスティーが1937年に発表した「ナイルに死す」を、1978年以来二度目の映画化。エジプトを舞台にある夫婦の幸せな新婚旅行が悲劇によって一転、恐ろしい犯人捜しの旅となるさまを、ドラマチックかつスリリングに描いている。大好きなアガサ・クリスティの作品。内容は把握ずみなので、豪華な主演者と衣装にジュエリーに目がいってしまう。主人公の物語の中心となる美しき資産家リネットには、「ワンダー・ウーマン」のガル・ガドット。

相手役のサイモンに「君のン前で僕を呼んで」のアーミー・ハマーが、それにキーパーソンのジャクリーンに「セックス・エデュケーション」のエマ・マッキーが。さらには、アネット・ベニングと「ブラックパンサー」のレティーシャ・ライトらが、容疑者としてクルーズ船に乗り込む。

裕福な主人公リネットは、並外れた美しさと輝き、小悪魔さに思いやりがあるはずなんですが、とても自己中心的で、同時に深い心を持っている。自分のやり方を押し通すことには慣れているが、一番上に立つことは孤独でもあるから、彼女の心の中には大きな穴が空いていると思う。それは、友達ジャクリーンの恋人であるサイモンを奪ってしまう人間として尋常じゃない性格に、それは自分の美貌と金持ちであることが彼女をそんな性格にしているように見える。船上結婚式を行う船には、その友達ジャクリーンも来ているのだ。何だか気まずそうな雰囲気と何か起こりそうな気配がする。

恋人のサイモンがどうして急に心変わりをして、金持ちの美女リネットに夢中になったのかは、きっと何か考えていることがあるに違いない。サイモンとジャクリーンとの愛は、サイモンとリネットとの間にある愛とは全然違うのだ。

リネットが拳銃で殺されるが、犯人はきっと恋人を略奪されたジャクリーンに違いないと思いがちですが、ジャクリーンにはアリバイがあり、サイモンも足を撃たれているんですよ。では誰がと、探偵ポワロの出番なわけですね。ナイル川下りを豪華客船で楽しんでいるかのような没入感があり、ゴージャスな気分に浸れます。

ミステリー事件の面白いのは、犯人が誰か、トリックがどうだったとかというよりも、その背景にある人間関係や、殺人を犯さなくてはならない理由、もっと俯瞰して時代背景という要素が面白いミステリーの重要な部分だと思うんです。

それに、ミステリーの共通としてあるのが、背景には“人間の愛”があるということ。本作でも同様、愛が故の殺人ということが、最も観客を魅了させる要素なんだなと感じます。そういうことで、今回もゴージャスで王道の本格ミステリーを、十分に堪能し満足のひと時でした。このケネス・ブラナー版では、エルキュール・ポアロのポアロの立派な口髭とか、パーソナルに迫ったシーンが随所に見られます。次のケネスブラナー監督の探偵ポアロ版に期待したいですね。

 

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