パピとママ映画のblog

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キングダム・オブ・ヘブン ★★★★

2015年05月01日 | DVD作品ーか行
『グラディエーター』などの巨匠、リドリー・スコット監督が、12世紀を舞台に、十字軍とエルサレムの関係を史実に基づいて描いた壮大なアクション絵巻。主人公はフランスで鍛冶屋を営んでいた青年バリアンで、突然現れた父の誘いで十字軍遠征に参加した彼が、父の意志を継ぎ、エルサレムに平和をもたらすべく苦闘する。主演オーランド・ブルームは、これまでの繊細なイメージを捨て、男くさい魅力を発揮して、バリアンの禁断の恋の行方や心の成長を演じている。

あらすじ: 1186年、わびしく寒々としたフランスのある村。司祭らによって鍛冶屋のバリアンの妻が埋葬されようとしている。妻子を亡くし失意のどん底にあるバリアン(オーランド・ブルーム)の元に、エルサレム王の封臣ゴッドフリー(リーアム・ニーソン)が訪れて、自分が父親だと告げる。サラディンの権力が増大した聖地に、新しい力を注入するため、若い頃の不倫の結果生まれた息子バリアンに「エルサレムへ行く」よう説得しにやってきた。最初は断ったバリアンだったが、父に従い、聖地エルサレムへと旅立つ。ところがバリアンの後を追ってきた者によって、ゴッドフリーは重傷を負ってしまう。息子にナイト爵を授け、使命を託し息を引きとる。そこから鍛冶屋のバリアンは、父の遺志を継ぎ、本来あるべき自分の姿を取り戻す場所、エルサレムへ、・・・・当時、聡明なキリスト教徒の王ボードワン(エドワード・ノートン)と、回教徒のカリスマ的指導者サラディン(ハッサン・マスード)によって束の間の平和が保たれていたエルサレムだったが、権力の座を狙う一派の卑劣な振る舞いにより危機が迫っていた。
<感想>昔、オーランド・ブルームが大好きだったので、DVDを買い思い出しては暇な時に良く見たものです。彼の作品の中でも、これは唯一、男らしく頑張っていたと思われます。

フランスで鍛冶屋を営んでいたバリアンの騎士としての成長に、エルサレムでのキリスト教とイスラム教の共存と攻防、王の妹とバリアンの道ならぬ恋が絡んでいく。

かろうじてエルサレムにたどり着いたバリアンは時の王の妹シビラと恋に落ちる。このシビラ役には、フランス人女優エバ・グリーンが演じていて、それはエキゾチックな美しさがあり、バリアンでなくても世の男性方は、虜になってしまうに違いありませんから。

また、ギーやルノーなど過激派が横行する中、王が病死。王位を得たギーは、サラディンとの開戦に踏み切るも大敗。エドワード・ノートンの仮面を被った王様は異様に映り、この当時流行った「らい病」と思われる身体が臭っていく病気で、太陽に当たると皮膚が溶けて行く病気。その一番の家臣であるのが、ジェレミー・アイアンズ演じる教皇である。

そして、ついに始まるエルサレムの攻防戦。城壁に迫る20万のサラディン軍を、バリアンが奇策で翻弄し、手に汗握る。投石器や包囲塔も使われた激戦を空から、地上から縦横無尽にとらえた映像に圧倒され、民を守るためだけに戦うバリアンの姿が胸を打ちます。
12世紀のエルサレムの光景や、生々しいアクションなど、スコット監督らしい映像のパワーは今回も健在。とくにクライマックスの城壁での戦闘では、巨大なセットと大量のエキストラ、実物大で作られた「攻囲塔」の倒壊など、細部まで衝撃的な迫力だ。
宗教対立と譲歩のドラマが、現代の世界情勢を連想させるのも皮肉なものです。

宗教の対立が絶えない現代に、投げかけられた思いが胸に染みわたり、深い余韻に包まれること間違いありません。騎士のいないエルサレムをバリアンは見事守り抜き、無事に市民を守ることに成功するのです。
だいたいのストーリーですが、この作品のタイトル“ 天国の王国”って、なんだろう?、と思ったけれど、この時代がかった大掛かりなセットで、滅び行くエルサレムと共に、騎士道精神を全うさせるなんてという泣かせる役どころは、あの「指輪物語」のラストと自然にリンクしてしまって、思わず引き込まれてしまいました。 

それでもとにかく、「指輪物語3部作」のレゴラス役よりも、こちらのバリアン役の方が、絶対にオーランド・ブルームの魅力を引き出していると思う。まあ~、不死のエルフ役よりも、死の影を背負っている方が人間らしいというか、役に厚みがあるというか、黒髪の方が似合っているというべきか!(笑)。
回教徒のカリスマ的指導者サラディン敵役には、ハッサン・マスードが演じていて、貫録十分で彼もバリアンの人徳に惚れてしまう。
恐れず、敵に立ち向かえ、勇気を示せ、死を恐れず、真実を語れ。弱者を守り、正義に生きよ。と、今際の際の父に誓った息子のバリアンは<天国の王国キングダム・オブ・ヘブン>をめざし闘った。守りたいのは、父の夢。見つけたいのは、真の平和を。いやはや、スケールのでかい物語でした。
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