パピとママ映画のblog

最新劇場公開映画の鑑賞のレビューを中心に、DVD、WOWOWの映画の感想などネタバレ有りで記録しています。

スイートプールサイド ★★.5

2014年07月15日 | さ行の映画
思春期特有の苦悩をユーモラスに捉えた、「惡の華」などの人気漫画家・押見修造による初期作を実写映画化した青春ストーリー。高校の水泳部を舞台に、毛が生えてこないことに苦悩する少年が毛深さに悩む少女から毛を処理してほしいと頼まれ、それをきっかけに始まる二人の奇妙な関係を描く。メガホンを取るのは、『アフロ田中』などの松居大悟。『ALWAYS』シリーズなどの須賀健太と『告白』などの刈谷友衣子を主演に、松田翔太、谷村美月、お笑いコンビTKOの木下隆行らが脇を固める。

あらすじ:高校1年になっても毛が生えないことに疑問を抱く太田年彦(須賀健太)は、同じ水泳部の毛深い女子、後藤綾子(刈谷友衣子)のことを、陰でうらやましいと感じていた。ある日、綾子に毛深いことを相談されその悩みを真剣に聞いていた彼は、「わたしの毛を、そってくれない?」と思いも寄らぬお願いをされ仰天する。それ以来、二人だけの秘密の関係がスタートし……。

<感想>押見修造の同名漫画「アフロ田中」の松居大悟監督が実写化した“毛”の悩みを抱える男女の青春物語。心と身体のギャップから生じる思春期の悶々としたアレを、「体毛」に託してみせた傑作漫画の映画化ですね。そういえば「アフロ田中」繋がりなのか、松田翔太がちょこっと出ていた。もう少し絡めば良かったのに残念。
本作のヒロインの刈谷友衣子が、よほど多毛なのか、独り悩んでいるところへ、高校生なのに股間に毛が生えていないことに悩む男子の須賀健太くん。『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの淳之介などで名子役ぶりを発揮して可愛いかったのに、もう20歳なんですね、彼って純真で演技が上手いので、高校生に見えた。

こんなことで悩むのかって、笑ってはいけない真剣な悩みなんですね。年頃って、女子の多毛症にも気の毒に思いますが、あまり剃ってしまうのは返って濃い毛が生えて来て困ってしまうでしょうに。思春期だからね、プールに入る時、水着の股間からはみ出しちゃね、そりゃ悩むでしょう。笑ったら可哀相です。
原作のヒロイン像よりもどこか虚ろな刈谷友衣子の佇まいが、受け身なのに体毛はアグレッシブという、チグハグさをより際立たせているのもいい。
「告白」や「シャニダールの花」、に出演していた刈谷友衣子よりも、この映画の中ではとてもいい演技してました。

刈谷友衣子さんの毛は喜んで剃るくせに、新井萌に挑まれた初キッスは、彼女の産毛にひるんで拒絶する須賀健太くん、なんて贅沢な男なんだろう。結局は、綾子の毛を剃ることで、自分の男としてのモヤモヤ感が彼女でなくてはダメってことなのかもしれませんね。
まだ恋人同士じゃない処女と童貞のカップルだけに、許された至福の瞬間を演出する橋の下の暗がりがいい感じで映ってました。須賀健太くんの妄想シーンが受けました。
それに、ちょっとしたセリフやコミュニケーションの空気からは、学園ものの現在進行形を感じるし、須賀健太の無毛男子の毛に対する執着が、妙な粘着力を発揮して物語を引っ張っていく。
剃毛という秘密を共有しても縮まらない二人の距離が、最後まで緊張感として画面にみなぎっているのもいいですね。
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