風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

カシュー塗料を塗る

2017-08-21 | 被爆樹木のパンフルート

リニューアルで持ち帰った千田小学校カイヅカイブキのパンフルートは塗料も変えていきます。

 

   

 

パンフルートで仕上げに塗る塗料は音を良くするものではなく、強い皮膜を作るためです。

演奏時に両手で持ち支える部分、唇が触れる歌口部分が長年さわる手の油等で溶けて行く

のです。

特に水溶性ニスを使うと溶け方が早まります。

今年4月大分県立竹工芸センターの学生さんがパンフルート製作を習いたいと、当パンフル

ート工房へ短期入門されました。

その時竹製品の加工について逆に教わることが多かったものですが、ニスについて「漆を使

うことが多いのですが、カブレの症状がある人は代用品としてカシュー塗料を使っていま

す」という情報がありました。

私も以前から漆には興味がありましたが高価でありカブレも怖く手が出せずにいました。

安価で漆と同等の効果がある品物を知り、さっそく購入し試してみました。

確かに皮膜は硬くなり、薄塗りでも輝きは良いようです。

 

   

 

風の音パンフルート製作工房は広島市中心部から東に約27k、山に囲まれた自然の中にあり

ます。


塗装前の準備作業

2017-08-19 | 被爆樹木のパンフルート

リニューアルのため引き取った50台のカイヅカイブキパンフルートはニスも塗り替えます。

 

   

 

 ニスは一度に粘く厚く塗るとダマになる箇所がでてきて、ムラな塗りとなります。

溶剤を多く入れ粘度を低くすると薄く均一にぬれます。

塗りは均一にはなりますが、皮膜は薄いので何度も塗り重ねる必要があります。

重ね塗りの基本は塗る前のペーパーがけです。

乾いてツルツルになった上に重ねると剥離しやすいのです。

ここでのペーパーがけはゴシゴシ削り落とすのではなく、表面に溝を多数つけ上の皮膜が

からみやすくなるよう軽くこすります。

この方法はバイオリン製作他でよくいわれていますね。

 

   

 

風の音パンフルート製作工房 広島市安芸区上瀬野町205 (国道2号線沿い)

連絡先 080-5235-7664 082-894-0854  panfrute@yahoo.co.jp


歌口をさらに丸みもたせる

2017-08-17 | 被爆樹木のパンフルート

パンフルート製作はその時折に少しずつ形が変わってきます。

 

  

 

 ヤスリとサンドペーパーを使ってパンフルート歌口の丸みを大きくします。

歌口削りは必要最小限の丸みがあればよいのですが、今回のカイヅカイブキ90台を何期

に分けて納入した場合はそのグループごとに変わっているのです。

歌口の丸みは今年6月に納入した最終の形に統一します。

今回リニューアルのため工房に戻って来た1期納入20台と2期30台のパンフルートの

歌口丸みは少し小さめであったため大きくします。

 

  

 

 千田小学校納入の90台パンフルートでは形状は統一したほうがベストです。

 

風の音パンフルート製作工房見学は 広島市安芸区上瀬野町205 (国道2号線沿い)

連絡は 080-5235-7664 082-894-0854  panfrute@yahoo.co.jp


楽器の様子を確認する

2017-08-15 | 被爆樹木のパンフルート

最初のグループのパンフルート納入から2年以上使われてきた経過が確認できます。

 

   

 

 丸2年以上使われてきたパンフルートたち、どのような姿・音の成長をみせてくれるか興

味があります。

ヤスリやサンドペーパーなどの刃物をあてる前に外観・音のチェックを行い、この間の使わ

れ具合を感じたうえで作業に入ります。

音の出ぐあいが悪い、出ない場合はひび割れの可能性もあり入念にチェックします。

音の響きは納入時に比べて数段アップしているように感じます。

歌口すくい角度が水平に近い5°ぐらいなので、もう少し掘りすすめて10°ぐらいの角度に

いたします。

 

   浄土真宗安芸門徒の盆風景。灯篭軸の竹がパンフルートの中・高音部と競合するので

   私にとっては天敵の存在です。

   

 

風の音パンフルート製作工房では自然との調和を計りながら楽器作りを行なっております。

お問い合わせ先 080-5235-7664 082-894-0854 panfrute@yahoo.co.jp


NO1からNO50までをリメイク

2017-08-13 | 被爆樹木のパンフルート

千田小学校夏の演奏会が終わり2学期までの空白の時間に工房に楽器を引き取り、歌口・

塗装などリニューアルすることといたしました。

 

   

 

 被爆樹木カイヅカイブキのパンフルート作りにたずさわって3年。

この間技術的にも前進していて最初1年目に納入したパンフルートの歌口の形・ニスは古い

ものとなってしまいました。

そこで千田小学校に夏休みを使ったリメイクを申し込みました。

これから8月末までに特急で改造作業を行ないます。