風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

熱帯の竹・温帯の竹

2015-09-17 | パンフルート作り

竹は熱帯原産とされており西日本・東海地方の温帯よりベトナムの湿度の多い熱帯まで広く分布しますが、北海道・

ヨーロッパ中北部には自生しません。

   

 パンフルート製作工房のある西日本は竹の宝庫です。工房から歩いていける範囲に10種類以上が手に入ります。

ヨーロッパ特に南部は温暖なイメージがありますが、緯度で見ると東北青森とイタリアローマは同じ線上にあります。

ここら辺りが竹自生の北限と思われます。

竹に北限がある一つの理由は雪の量にあります。

雪の多い地方では竹は重みでつぶれてしまうので育ちきれないのです。

私の工房がある広島市安芸区では年に2~3度雪が積もりますがこの時のメダケは上部の葉に雪を受け大きくたわみ

ます。(雪は2日もたてば溶けて、たわみも半分くらい回復します)

この時竹1本に集中しないよう竹林全体で荷重を受ける工夫をしているようです。

春にはこのたわみは回復し直に戻りますが、温帯地方の竹は雪に備えしなやかな組織となっています。

曲がりに対応するように育ち、それにより音も「柔らかく音を吸収、しなやかに包み込む」ようになります。

一方熱帯育ちの竹は強風に備える程度で済み、組織密度が濃く固く剛に育ちます。

それにより音は「固く音を反射、鋭く跳ねる」ようになります。

   

 熱帯育ちの竹パンフルート音は「固く鋭く跳ねる」   温帯育ちの竹パンフルート音は「柔らかくしなやか鈍重」

 

風の音パンフルート製作工房では自然の音を研究しながら楽器作りを行なっております。

購入・修理・貸し出し・教室などのお問い合わせは080-5235-7664またはpanfrute@ybb.ne.jpまでどうぞ。