風の音パンフルート製作工房

浅い軽やかな音・心に沁みる奥深い音を自然の素材から自在に引き出します。パンフルート販売・修理・見学受付け中。

固い音は後処理を慎重に

2015-09-07 | パンフルート演奏研究

固く鋭い音のパンフルートは楽器の方でいわば勝手に鳴ってくれるので、演奏者はそこで音作りは完了したと

勘違いし、その立ち上がり音をただ伸ばして行くだけの守りの演奏になりがちなのです。

   

 DAJOERIさんの楽器は音の立ち上がりは早いですがその後の音処理を意図を持って進めないと、明るくキラキラ

 しただけの平坦な演奏になります。

わたしがこの立ち上がりの早いパンフルートを持たれている方の演奏を聞いて評し、多くの方に共通するクセは「音を

置いて(乗せて)行くだけの平坦な演奏」になっていることを強く感じます。

曲の流れに山谷・濃淡・強弱がないのです。

落とし穴はこの類の楽器の長所である「音の立ち上がりの早さ」にあります。

せっかくの長所が使い方によっては最大の欠点になるのです。

この類のパンフルートの音の立ち上がりは余りにも早いため一息で最大音に達してしまいます。

演奏者は二息目からはそれ以上強く吹き込む事はできず(音の大きさの限界を超えれば破綻を起こし失速してしまい

ます)一息目の音をキープするか、ゆるやかに縮小しながら進むしかありません。

音出し時間のほとんどが守りの姿勢になり演奏に勢いが感じられなくなります。

ここでは楽器の鳴りに頼りきるのはやめて「自分の意図で音を立ち上げふくらませて行く」強い意志が求められます。

他人まかせから自分を取り戻してください。

   

 

パンフルート製作工房に見学に来てください。〒739-0302 広島市安芸区上瀬野町205番地(国道2号線沿い)