音の立ち上がりが早く感度の良いパンフルートは良い面もたくさんあるのでその特徴を生かして行けばよいのですが、
楽器が勝手に鳴ってくれて音の表現に演奏者が入り込む余地が少ないことが難点となります。
DAJOERIさんのパンフルートは反応が早く入門者にはもってこいの楽器ですが、楽器が勝手に鳴ってくれるのを
自分の技術向上だと勘違いすると「パンフルートなんてこんなもの」と甘く見てしまって、その後の進歩が
止まってしまう恐れがあります。
要因はただ一つ「音の立ち上がりの早さ」にあります。
一見派手に音が立ち上がりますが受け止める側に立てば単純であり中身が希薄なのです。
そして最大の問題点は「音を立ち上げる工夫をしなくなる」ことです。
結果は技巧にばかり目が向き、音の質や感情移入がおろそかになって行きます。
ここでの改善点は「音の立ち上がりを遅らせる工夫」をすることです。
暴れ馬に乗って鎮めるがごとく、先走る楽器の暴走を抑えましょう。
もちろん今までどおり「パーンと弾く」奏法も曲によっては必用ですが、一つの奏法だけに頼らず考えつくあらゆる
音の立ち上がりを試してください。
いままで安全パイだと思って安心し切っていた「音の立ち上がりの形」を見直し、研究してください。
いろんな色の音が湧き出て来ますよ。
その色を感じながらふくらませて、あなたの心の感情を音に乗せて行ってください。
パンフルート製作工房見学は 〒739-0302 広島市安芸区上瀬野町205番地 までどうぞ。