今日は、二十四節気の「穀雨」に当たるのだそうだ。
穀雨とは、百穀を潤すという意らしい。
その日に合わせるかのように、今日は朝から小糠雨が降り続いた。
様々な穀類に限らず、多くの草木も潤いを享受したに違いない。
近所の知己Oさん宅へ届け物をするために出かけた。
静かに地を潤す雨を、私も心地よく感じながら。
Oさん宅には、たくさんの花々が咲いていた。折から雨は小休止していた。
そこで、Oさんと一緒に眺めて歩いた。
特に、イチハツの豊かな咲きぶりがよかった。
いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春ゆかんとす
という正岡子規の歌を思い出して、口ずさんだ。
病む子規にとっては、見納めとなるかもしれない今年の<いちはつ>の花なのであった。
90歳に近いOさんも、老女の私も、格別大病を抱えているわけでもない身には、子規の心境を切実なものとして受け止めてはいない。来年の春をどこかで受け入れている。が、果たして、そうなるかどうかは分からない。そんなことを思いながら、雨にに濡れて花弁を重く垂れるイチハツの花を眺めた。
アイリスの花も咲いていた。
毎年のことながら、アヤメ科のよく似た形の花を区別しがたい。
Oさんが、あれはイチハツ、これはアイリスと教えてくださった。
アヤメ、杜若、花菖蒲なども、次々と咲き次いでゆくことだろう。
イチハツ
アイリス
フリージアの花々も咲いていた。その中の二色を添付した。
フリージア
フリージア
シバザクラも、数種の花が地面を覆っていた。
シバザクラ
シバザクラ
ドウダンツツジ(満天星躑躅)の、白い小さな壷状の花が愛らしい。
ドウダンツツジ
名を知らぬたくさんの花が咲いていた。その中の二種の花を添付した。
お隣には、沢山の花があると、Oさんに誘われ、遠慮がちに覘いてみた。
また櫻花に巡りあった。
普通の八重桜より遅れて咲く<牡丹桜>という種なのだそうだ。まだ蕾を残しており、しばらくは花を楽しめそうだ。淡いピンクがいい。
牡丹桜
牡丹の花も、華やいで咲いていた。
帰宅後、<いちはつの…>の歌についての表記を確認するため、正岡子規の歌集を開いた。イチハツの歌に次いで、牡丹の歌が詠まれていた。
病む我をなぐさめがほに開きたる牡丹の花を見れば悲しも
子規は、病床から、庭に咲くイチハツを眺め、目を転じて牡丹を眺めたのであろう。
美しければ美しいほど、心は哀しい。子規の心境は、私にもよく分かる。
牡丹
穀雨とは、百穀を潤すという意らしい。
その日に合わせるかのように、今日は朝から小糠雨が降り続いた。
様々な穀類に限らず、多くの草木も潤いを享受したに違いない。
近所の知己Oさん宅へ届け物をするために出かけた。
静かに地を潤す雨を、私も心地よく感じながら。
Oさん宅には、たくさんの花々が咲いていた。折から雨は小休止していた。
そこで、Oさんと一緒に眺めて歩いた。
特に、イチハツの豊かな咲きぶりがよかった。
いちはつの花咲きいでて我目には今年ばかりの春ゆかんとす
という正岡子規の歌を思い出して、口ずさんだ。
病む子規にとっては、見納めとなるかもしれない今年の<いちはつ>の花なのであった。
90歳に近いOさんも、老女の私も、格別大病を抱えているわけでもない身には、子規の心境を切実なものとして受け止めてはいない。来年の春をどこかで受け入れている。が、果たして、そうなるかどうかは分からない。そんなことを思いながら、雨にに濡れて花弁を重く垂れるイチハツの花を眺めた。
アイリスの花も咲いていた。
毎年のことながら、アヤメ科のよく似た形の花を区別しがたい。
Oさんが、あれはイチハツ、これはアイリスと教えてくださった。
アヤメ、杜若、花菖蒲なども、次々と咲き次いでゆくことだろう。
イチハツ
アイリス
フリージアの花々も咲いていた。その中の二色を添付した。
フリージア
フリージア
シバザクラも、数種の花が地面を覆っていた。
シバザクラ
シバザクラ
ドウダンツツジ(満天星躑躅)の、白い小さな壷状の花が愛らしい。
ドウダンツツジ
名を知らぬたくさんの花が咲いていた。その中の二種の花を添付した。
お隣には、沢山の花があると、Oさんに誘われ、遠慮がちに覘いてみた。
また櫻花に巡りあった。
普通の八重桜より遅れて咲く<牡丹桜>という種なのだそうだ。まだ蕾を残しており、しばらくは花を楽しめそうだ。淡いピンクがいい。
牡丹桜
牡丹の花も、華やいで咲いていた。
帰宅後、<いちはつの…>の歌についての表記を確認するため、正岡子規の歌集を開いた。イチハツの歌に次いで、牡丹の歌が詠まれていた。
病む我をなぐさめがほに開きたる牡丹の花を見れば悲しも
子規は、病床から、庭に咲くイチハツを眺め、目を転じて牡丹を眺めたのであろう。
美しければ美しいほど、心は哀しい。子規の心境は、私にもよく分かる。
牡丹