ぶらぶら人生

心の呟き

一目惚れではなかったらしい

2010-01-27 | 身辺雑記
 昨日のブログで、<文に恋して>と題し、初めて読んだ星野道夫さんの魅力に触れた。
 少々オーバーな表題のようにも思ったが、それは、草花舎で『旅をする木』の数ページを読んだときの直感であった。
 
 今日は、定期健診のため、M歯科医院に行った。
 カバンの中に、星野道夫著『アラスカ 風のような物語』を入れて。
 診察の順番待ちの間、また喫茶店で食事をした後コーヒーを飲みながら、上記の本の一部を読んだ。
 まだ、一部しか読んでいないが、昨日の感想に狂いはないと実感した。

 特に、巻末に添えられた「解説・大庭みな子」を読み、私の評価が、私の勝手な一目惚れではなかったと、意を強くした。
 大庭みな子さんの文章には、次のように記されていた。

 ※ …彼(注 星野道夫)の文章や写真集は長いあいだ愛読した。動いている地球の軸にがっと食い込む、光る若い歯茎の輝きが目の前に迫ってくるような文章だった。…
 <注 上記の文は、口述筆記であると、記してある。>

 ※ 星野さんの文章も(注 写真だけでなく)また素敵なものだ。文章というよりもその内容がすばらしいのだが、その表現力も素直で少しのてらいもない。そしてときどきはっとするような行にぶつかる。…


 一冊の本の中で出会った、『三匹の蟹』で芥川賞を受賞された大庭みな子さんも、『アラスカ 風のような物語』の星野道夫さんも、今は故人であることは残念である。が、書籍を通して目に触れ、その魂に接することができるのは、幸せなことである。


 下の写真は、『アラスカ 風のような物語』の扉に掲げられた、星野道夫さんの写真の一枚である。
 カリブーの群れが、アラスカの大自然の中を移動している。夕景であろうか?

   あらゆる生命は同じ場所にとどまっていない
   人も、カリブーも、星さえも、
   無窮の彼方へ旅を続けている

 との言葉が添えてある。
 肯いて読んだ。  

              
コメント
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