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2000年6月のある日、みーばい亭のご近所の若葉さんの家に、沖縄から14頭のあーまん(オカヤドカリ)がやって来ました。
若葉さんが応募した懸賞の景品だったそうです。
生き物の好きな若葉さんに大切にされて元気に暮らしていたのですが、20世紀も終わりに近づいた12月のある日、その出来事は起こりました。
その日、ケースの掃除をしていた若葉さんは、砂の中で見つけた、お腹のちぎれたあーまんにすっかり動転してしまいました。
後で考えればそれはただの脱皮殻だったのですが、若葉さんはてっきり死んでしまったものと思い込み、脱皮したばかりのあーまんが、砂の中にいるのに気づかないまま、バケツで砂を洗ってしまったのです。
その後、砂と一緒にベランダで12月の寒風にさらされ、1週間後砂を片付けようとした若葉さんにようやく発見されたときには、固く殻に閉じこもって全く動かなくなっていました。
若葉さんは事の成り行きを理解しましたが、今度こそ本当に死なせてしまったと思い、庭にお墓を作って埋めてあげました。
その日の午後、たまたま若葉さんを訪ねてその話を聞いたとき、なんとなくそのあーまんは生きているのではないかという気がしました。今から思うと予感のようなものだったかもしれません。
どうしても気になったので、お墓から掘り出して、暖かい陽だまりに置いて様子を見ていると、しばらくしてかすかに貝殻が動きました。
やっぱり、そのあーまんは生きていました。
けれどかなり弱っている様子でしたので、仲間が大勢いるケースには戻さないほうがいいだろうと思い、若葉さんに申し出てしばらくみーばい亭で預かることにしたのです。
その小さなあーまんは、沖縄からやってきたときに入っていた、小さなプラケースに入れられてみーばい亭にやってきました。
はじめのうちは、ケースのすみでじっとうずくまっていましたが、年が明けて21世紀を迎えるころには、入れてあげたパンをつまむくらい元気になりました。
みーばい亭ではこのあーまんのことを「トラ」と呼ぶことにしました。
トラとはトライアスロンのトラ。
さまざまな試練に耐えて生きのびた「鉄のあーまん」です。
ケースにヒーターは入れていなかったのですが、さすがに「鉄のあーまん」寒さのきびしい1月2月も何とか乗り切り、3月になると、カサカサと音を立ててケース内を歩き回るようになりました。
こうなると、この狭いケースではちょっとかわいそうです。
それで、せっかく仲良くなったトラと別れるのはちょっと寂しかったのですが、仲間のいっぱいいる若葉さんの家に帰してあげることにしました。
そして、トラを連れて訪れた若葉家で、その悲しい事件を知らされたのです。
それは前の週のことでした。
若葉邸で、数日かけて行われていた外壁の塗装工事の最終日、その日は風がなく家の中に溶剤の臭いがこもって、若葉さんも少し気分が悪くなるほどでした。
夕方、あーまん達に餌を入れてあげるときには、誰も動いていなかったのですが、昼間はじっと寝ていることが多いので、その時は特に気にしませんでした。
ところが、次の日も、その次の日もあーまん達はその場所から動きません。
さすがに若葉さんも異変に気付きましたが、トラのこともあるし「そんなに簡単にあーまんが死んでしまうはずがない」と、自分に言い聞かせながら今日まで来てしまったのだそうです。
結局、トラはみーばい亭で引き取ることになりました。
動かなくなった仲間達は、裏山にお墓を作って貝殻と一緒に埋めてあげました。
こうして、トラは誰もいなくなった大きなケースに引っ越して、正式にみーばい亭で暮らすことになったのです。
(2001年10月1日)
はい、昨日は鴨川で床遊び、今日は午後からホテルできき酒会に蔵元さんとの懇親会・・と、妙にセレブリティな週末を送っている2016年9月4日の管理人でございます。
もちろんあたりまえですがとうぜんながらいうまでもなく自腹ではない(^^;
ま、日々安月給で有給も取れずにあくせく働いているわけですから、この程度の役得でもないとやってられまへんわ。
と、いうわけで今週も海はお休み。
とりたてて目新しいネタもありませんので、【復刻版 あーまんの話】奇跡の第2弾でございます。
しかも、今回は記念すべき第1話!
思えばヤドカリとのつきあいも、HP運営も、ここから始まったわけで、ことさら感慨深い記事でございます。
当時は、HMCのとれもろさんやBBSの常連さんたちが、お情けで立ち寄ってくださる程度のアクセス数で、借り物のカウンターが10も回れば御の字でしたが、みなさんあたたかくてやさしくてハートフルな時代でした。
現在、拙ブログは数字だけみれば当時の100倍くらいの方に日々アクセス頂いていますが、どこか「心」が置き去りになっているような気がするのは、ロートル世代の感傷でしょうか・・・。
ま、それはさておき「トラ」でございます。
真っ白な身体の小さな小さなムラサキオカヤドカリ。
長じてもやや赤みの勝った上品なベージュの美しいヤドカリでしたが、ちょっと気の強いところが災いしたのか、2006年頃、ライバルのナキオカヤドカリ「暴君」メイに脱皮中を襲われあえなく鬼籍に・・。
初めて飼ったオカヤドカリですから、それなりに思いも残ったのでしょうが、当時はアホ業者やその取り巻きの相手に忙しく、おまけに不条理に突っかかってくる変態なんかもいたりして、なかなか感傷に浸っている暇もなく、気が付けばいつの間にか10年の歳月が・・・(^^;
そして2016年の夏の終わり。
昨年孵化したムラサキオカヤドカリのケージをなにげに眺めていると、いつかどこかで見たような仔ヤドカリが・・。
真っ白な歩脚や大きさが、あの頃のトラそのまんま。
10年の歳月を経て、この世に転生してきたのでしょうか。
などと考えながら、ふと水槽をみると・・。
ホンヤドカリの脱皮殻が浮遊してたりして(笑)
もしもヤドカリに霊魂があるとしたら、こんな感じでしょうかね。
そろそろ、ひと夏いいかげんに扱われたオカヤドカリたちが、ショップや家庭で力尽きて死んでいく季節。
アナタの周りにも、殺された多くの魂がこんな風に漂っているかもしれませんよ。
ちょうど昨日、やど研の聖地、三浦半島の荒崎に行ってきました。こっちに来て足掛け5年。初めて行くことができました。
陸っぱりでしたが、やはり海は良いなー。そして色々な思いが込み上げたところに、この記事とは(^^;;
当時、すでにやど研主席研究員にして関西支部長という確固たる地位を築いて居られましたから、私らから見れば天上人でしたよ(笑)
近頃は、釣り人とダイバーしかいなかったマイナーな磯にも、色白の家族連れがバーベキューセット持って押しかけてきますが、どっかに「穴場情報」とか出回ってるんでしょうかね。
聖地がいつまでも聖地であればいいのですが・・。
しかし20年と言われると確かに(・_・;
我ながら、よく生きていたものです(^^;;
南紀も10年近く行ってないなー。また、ご一緒したいですね!
結局、あの時の越冬隊は帰しそびれてしまいましたが、子孫は今尚健在ですし、彼らの繁殖の際に得られた知見を拙くも発信して、全国の愛好家さんたちと共有できたワケですから、結果的にはよかったのではないかと(^^;
聖地巡礼の折には、ぜひご一緒させてください。
関西支部の聖地って十三でしたっけ?
十三は確かに聖地の1つですね。しょんべん横丁は焼けてしまいましたが、復興してるかな?
南紀より実現早そうですので、近いうちに飲みましょう!
こちら関東のの無効分散状況など肴に。
「とりあえずの生」で助走つけてるうちに、ぜひお聞きしたいですね。
近頃、年のせいか本気出せる時間が短くて・・。
いつぞやみたいに爆飲完徹なんかやらかしたら、たぶん死にます(^^;