みーばい亭ブログ

言いたい放題! 飲み放題!

ウニは食いもん・・・か?

2012-05-03 20:55:13 | 新・ほろ酔いキッチン
巷では、フォアグラ、キャビア、トリュフが、三大美味だの三大珍味などと持て囃されているようだが、まったくもって片腹痛い。
あんな物は、スモーク、ゴンドラ、愛のセレブレーションとの、セット物である。
などと書くと、バブル期の披露宴でしか食ったことがないことがバレバレだが、ニッポンの小市民なら、そんなもんだろう。
管理人の、確固とした主観に基づいて、この世で最も美味いものを三つ挙げるのなら、下記をおいて他にない!

一つ目は、「鮑の生肝」
清浄な磯から水揚げされ、うにょうにょ動いている新鮮な鮑の貝肉と貝殻の間に木ベラを差し込み、えいやと剥がした軟体部から 神秘的な深緑に輝く肝を丁寧にむしりとり、間髪いれずに口に放り込む。
それ以上、語るべき言葉はない。

二つ目は、「海鼠の腸」
これも清浄な冷たい磯から水揚げされ、硬く緊張している真海鼠の腹を裂き取り出した腸をしごいて砂を出し、ガラスの小鉢に入れて軽く酒と塩を振り、一晩冷蔵庫で寝かしてから、少しづつ口中に入れ、しみじみと噛みしめる。
それ以上、語る気はない。

そして、三つ目は「海栗の生殖腺」
断わっておくが雲丹ではない。
これまた清浄な磯から水揚げされた海栗を、半身海につかったままナイフで割リ、黄金色に輝く卵巣もしくは精巣をわずかに溜まった海水と共に啜りこむ・・・。
それ以上、語っている場合ではない。

ああ、俺は今、モーレツに酒が飲みたい!

などとひとりで興奮していても仕方がないので、強引に話を変える。

沖縄の本土復帰が1972年。
その後、ゴジラ対メカゴジラだ! 海洋博だ! と、70年台を通して「沖縄ブーム」が盛り上がる。
1975年には、竹中労によって伝説の琉球フェス75が開催され、これも伝説となった京都円山野音超絶ライブも同年である。
私は年齢的に直接ライブは体験していないが、後年入手した実況録音盤は、今でも大切な宝物だ。
少年ジャンプ連載の劇画を深作欣二監督で映画化した「ドーベルマン刑事」は、そんな時代背景もあってか主人公の加納刑事にウチナンチュという設定が強引に加味されていた。
暑苦しく演じたのは、当時全盛の千葉真一。
この千葉ちゃん演じる加納刑事、ウチナンチュらしく(?)1匹の仔豚を連れて登場するのだが、中華料理屋の親父に頼まれてあっさりと売り渡してしまう。
「情けがないのか」となじる同僚刑事に云い放つ千葉ちゃんの台詞がいい。

ブタは食いもんサ~

もちろん鮑や海鼠と共に海栗も「食いもん」である。
それも極上の。
港でも市場でも鮨屋でもスーパーでも、海栗を食いもん以外の目で見たことはない。
ところが、物の本や物のサイトによると、海栗はマリン・アクアリウムのタンク・メイトとして、メジャー且つ面白い存在であるらしい。
磯屋の一人として、海栗飼育の面白さを知らないのは片手落ちではないか!との焦燥感にさいなまれて居ても立っても居られなくなり(ウソです)、とうとう禁断の食材を水槽に放り込むという背徳行為を犯してしまった。
「なにさらしとねん、このハナクソ!」と、お怒りの諸氏も居られようから、責任者が出てくる前にとりあえず「ごめんちゃい」と、謝っておく。

まあ、やってしまったものは仕方がない。
今のところ、水際でアオサを纏って管足をふにふにさせているだけなので、面白いのか?と問われれば???だが、せっかく生きたままで縁が出来たのだから、しばらくは付き合ってもらいたい。

それにしても、万一このウニちゃんが水槽では飼い切れないほど大きく育ってしまった時、はたして愛用のナイフ片手に、「ウニは食いもんサ~」と、云い放てるのだろうか、俺?




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